Match Report

大阪桐蔭vs仙台育英

2022.10.06

大阪桐蔭エース・川原がU-18でつかんできた成長 仙台育英から1失点完投勝利

大阪桐蔭vs仙台育英 | 高校野球ドットコム
雄叫びあげる大阪桐蔭先発・川原 嗣貴

<とちぎ国体:大阪桐蔭3-1仙台育英>◇2日◇1回戦◇清原

 2日に開幕したとちぎ国体の最注目カードとなったのは大阪桐蔭(大阪)と仙台育英(宮城)の一戦。大阪桐蔭は春の日本一、仙台育英は夏の日本一と、互いに2022年の高校野球をけん引した立場で、同時に夏の大会前には練習試合をする間柄でもある強豪同士だ。

 試合は大阪桐蔭が初回に、プロ志望届を提出した松尾汐恩捕手(3年)の内野ゴロで先制。5回にも1点を追加して主導権を握ると、2対1の8回には、4番・丸山一喜内野手(3年)の適時打でダメ押し。最後はエース・川原嗣貴投手(3年)が1失点完投勝利で締め、注目カードを制した。

 強打の大阪桐蔭打線でも、仙台育英の強力投手陣から6安打3得点と、簡単に攻略することはできなかった。しかし、大阪桐蔭・川原はそれ以上の結果を出した。9回104球で、被安打7、奪三振9、無四球で1失点完投。U-18でベストナインに選出された実力は伊達ではなかった。

 チームの勝利はもちろんだが「次のステージに繋がるピッチング」を意識して、自分らしさを前面に出した。相手が夏の日本一・仙台育英でも「相手どうこうではなく、自分の投球ができるか」を考えて、冷静に状況を整理。その上で、どうやって自分のピッチングをするのかを考え続けた。

 U-18での経験が大きかった。ワールドカップでは大事な場面や試合での登板が多く、マウンドでは多くのプレッシャーを感じて投げる機会が増えた。だからこそ「抑えて乗り切れたことは自信になりました」と確かな手ごたえをつかみ、マウンドでも落ち着いて投げることができているという。

 同時に「抑えるための引き出しが増えた」と幅が広がった。そして硬いマウンドへ対応するために「リリースポイントを下げた」ことも更なる成長につながった。長身を生かした角度のついた140キロ後半の直球は、数字以上に質の高さを感じさせ、奪った9三振のうち、4三振は直球で奪うなど、仙台育英打線を封じることに繋がっていた。

 大阪桐蔭に進学して、「(プロ野球選手になることが)夢から目標に変わりました。良いチームに巡り合うことができました」と話す。U-18も含めて大きな舞台を経験して、その度に川原は逞しく成長を遂げてきた。充実した大阪桐蔭での3年間を目標のプロ野球選手につなげることができるか。運命の10月20日、川原嗣貴の名前は呼ばれるのか。その瞬間を心待ちにしたい。

(記事=田中 裕毅/写真=寺下 友徳)

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2023.09.20

【北海道】白樺学園の初戦の相手は?<秋季十勝支部予選組み合わせ>

2023.09.21

プロ志望届を提出した東海大菅生の153キロ右腕の剛速球に注目

2023.09.21

2018年ヤクルトドラフトは中継ぎタイトルの清水を筆頭に様々な選手が活躍

2023.09.20

【ドラフト】大学代表を経験した関西大の捕手など6名が提出 近江高校時代は18年夏ベスト8

2023.09.20

【宮城】仙台育英が準々決勝で敗退!東陵・熊谷が完投勝利

2023.09.07

【U-18】スーパーラウンド 日本 vs 韓国

2023.09.16

【神奈川】慶應義塾、横浜、東海大相模がベスト16入り<秋季大会・16日の結果>

2023.09.18

【宮城】仙台育英が東北に快勝!<秋季県大会・18日の結果>

2023.09.16

【埼玉】秋季県大会出場校が決定!浦和学院など強豪校が多数

2023.09.17

【東京】二松学舎大附、国士舘が強豪をコールドで倒して都大会出場<秋季都大会1次予選・17日の結果>

2023.08.23

組み合わせが決定!夏の甲子園の日程

2023.08.22

U-18代表20人が決定!世代No.1右腕、左腕、慶應義塾のトップバッターが選出

2023.09.04

【秋田】明桜の初戦の相手は?<秋季県大会組み合わせ>

2023.08.24

夏の甲子園ベスト9を発表!この夏の甲子園を盛り上げた9人を選出!

2023.08.22

選外に…高校通算140本塁打の佐々木麟太郎、広陵・真鍋、152キロ左腕のなどスカウト高評価の超高校級の逸材が代表に選ばれず