試合レポート

聖光学院vs横浜

2022.08.14

主将の先制パンチとボディーブローのように効いた足技で聖光学院が競り勝ち

聖光学院vs横浜 | 高校野球ドットコム
赤堀颯(聖光学院)*春季東北大会より

聖光学院vs横浜 | 高校野球ドットコムトーナメント表
夏の甲子園の勝ち上がり

聖光学院vs横浜 | 高校野球ドットコム関連記事
ダントツの優勝候補の大阪桐蔭は何が凄いのか?大阪桐蔭に対抗できる優勝候補8校もピックアップ
第104回大会 全国47都道府県地方大会の日程一覧
甲子園注目選手

聖光学院vs横浜 | 高校野球ドットコム大会の詳細・応援メッセージ
第104回 全国高等学校野球選手権大会

<第104回全国高校野球選手権大会:聖光学院3-2横浜>◇14日◇2回戦◇甲子園

 初戦で無四球完投勝利を挙げた横浜(神奈川)の左腕エース、杉山 遥希投手(2年)に対して、強打を誇る聖光学院(福島)がどんな攻略をしかけるのか。この点を中心に試合を見ていた。

 1回裏、聖光学院の先頭打者は、主将の赤堀 颯内野手(3年)。切り込み隊長、チームのけん引役が、初球をいきなりたたいて左前安打で出塁した。134キロの直球だった。これは普通の安打以上の意味を持つ。ストライクを取りに来た「試合の入り」の球を狙い、打線に勇気を与えた。その後、3番・安田 淳平外野手(3年)の右前適時打で1点を先制した。聖光学院のベンチが盛り上がったのも容易に想像できる。

 5回の勝ち越し劇は赤堀が足でもぎ取った。意表を突く三塁前へのセーフティーバントで出塁。俊足を生かした。さらに盗塁で二塁へ。横浜の杉山のモーションを完全に盗んだ見事な盗塁だった。横浜玉城 陽希捕手(3年)がとっさの判断で右手でウエストするように立ち上がって指示。杉山もそれに応えて外角高めに外した。完璧な送球を二塁にしたが完全にセーフだった。赤堀のスタートの勝利だった。その後、併殺の間に赤堀が本塁に生還する。結局、これが決勝点となる。強打だけが強さではない。それを証明してみせた。

 7回1死一塁、横浜の杉山は、ボークすれすれの投球をする場面があった。一塁走者の2番・高中 一樹内野手(2年)がスタートを切る仕草で揺さぶっていた。それが原因なのか、杉山は右足を上げた瞬間にけん制か、打者への投球か、迷って混乱が生じていたことが分かる。杉山はやはり走者に神経を使っていた。8回途中104球でマウンドを降りたが、119球で完投勝ちした聖光学院佐山 未来投手(3年)以上に精神は疲労していたかもしれない。投手の「疲労」は、なにも球数だけで決まるものではない。

 聖光学院1番の赤堀、2番の高中は2安打ずつを放った。初戦と合わせると、赤堀は8打数5安打、高中は6打数4安打。2人で14打数9安打と打線をリードする役目を果たしている。バットでも、足でも相手投手を揺さぶる。このコンビを抑えないと聖光学院には勝てない。

(記事=浦田 由紀夫

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.07

【山陰】益田東と米子松蔭、鳥取城北が石見智翠館と対戦<春季大会組み合わせ>

2024.05.07

【北海道】函館大有斗、武修館などが初戦を突破<春季全道大会支部予選>

2024.05.07

【鹿児島】神村学園は昨秋4強の鶴丸と初戦で対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.07

【熊本】九州学院が文徳を破って22年ぶり3回目の優勝<RKK旗>

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.06

【2024年夏 全国地方大会シード校一覧】現在27地区が決定!

2024.05.02

春の神奈川準決勝・東海大相模vs.横浜の黄金カード実現! 戦力徹底分析、試合展開大胆予想!

2024.05.02

【茨城】常総学院、鹿島学園、水戸一、つくば秀英が4強入り<春季県大会>

2024.05.02

激戦必至の春季千葉準決勝!関東大会出場をかけた2試合の見所を徹底紹介!

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>