試合レポート

名取北vs登米

2022.07.18

手に汗握る投手戦!名取北が接戦制し3回戦進出

<第104回全国高校野球選手権宮城大会:名取北2-0登米>◇17日◇2回戦◇仙台市民

 1回戦を突破した単独チームの中では最少の14人(記録員2人含む)で戦う登米が、昨秋、今春の県大会ベスト16入りの名取北と善戦を演じた。登米仙台工に2対1で勝利した1回戦で、9回1失点と好投したエース左腕・守屋匠(2年)が先発。対する名取北は、1回戦では2番手で登板し1.1回を無失点に抑えた背番号5の右腕・佐藤暖久(3年)が「4番・投手」でスタメンに名を連ねた。試合は、この2人による白熱した投手戦となった。

 3回までは両チーム無安打。先に好機をつくったのは、名取北だった。4回、1死からスタメン唯一の2年生である3番・出雲大志(2年)が両チーム通じての初安打を放つ。続く佐藤暖も二塁打でつなぎ、1死二、三塁。ピンチを迎えた守屋だったが、5番・岩渕純大(3年)のスクイズを阻止すると、6番・半澤晴陽(3年)は投ゴロに仕留め、0に抑えた。

 一方、名取北の先発・佐藤暖はコーナーを突く丁寧な投球で4回まで無安打投球を披露。5回2死から7番・沼倉隼祐(3年)に初安打を許したが、この走者をけん制で刺し、ピンチの芽を摘んだ。5回を終え0対0。守屋が55球2安打無失点、佐藤暖が59球1安打無失点と、互いに譲らない投手戦に観客の目が釘付けとなった。

 6回、ついに試合が動く。名取北が先頭・渋谷悠翔(3年)の左前打を機に2死一、二塁とすると、打席には前の打席でスクイズを失敗した岩渕。2球目を捉えた打球は詰まりながらも中堅手の前に落ち、これが汚名返上の先制適時打となった。7回には2死二塁の好機で渋谷が適時打を放ち1点を追加。名取北が終盤の集中力を発揮した。

 援護をもらった佐藤暖は7回に2死満塁の大ピンチをしのぐと、8回は三者凡退。最終回は登米が2番からの好打順だったものの3人で抑え、見事完封勝利を挙げた。この日奪った三振は11個、与えた四死球はわずか1個と、抜群の制球力で相手打線を封じ込んだ。

 登米は敗れはしたが、エース守屋が2試合連続で完投し、持ち味を存分に発揮した。この試合で奪った24個のアウトのうち16個がゴロアウトで、奪三振は0。的を絞らせない投球術で名取北打線を翻弄した。まだ2年生だけに、今後の活躍に期待がかかる。

 名取北は昨秋、今春に続きベスト16入りが決定。ベスト8の壁を破るべく、次は昨夏準優勝の強敵・仙台三に立ち向かう。

(取材=川浪 康太郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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