遠征や試合の移動を考える
足を投げ出すような姿勢を取らないように気をつけてみよう
シーズンがはじまり、練習試合や公式戦が行われるようになると、試合会場に移動する機会が増えてくると思います。移動を経て試合会場に到着したときに、より良いコンディションでウォームアップに臨めるようにするにはどのようなことに気をつければいいでしょうか。
●移動で疲れるのは体を動かさないから
試合会場に到着したときに「体の調子がイマイチだな」と感じたり、背中やお尻などが張ってしまったり、といった経験をした選手がいるかもしれません。移動時間中、つねに同じ姿勢で座り続けると、動いているときに比べて体全体の血液循環が悪くなりがちです。しばらくの間であれば我慢できるものでも、これが1時間を越え、より長い時間を座わったままで過ごすことは体にとっても大きなストレスとなります。移動中に寝てしまうと、いつの間にか体勢が崩れて腰や膝などが痛くなることも考えられます。体の大きな選手は特に狭いスペースの中でガマンを強いられることも多いのではないでしょうか。
●座る姿勢にひと工夫
足を投げ出すような姿勢をとってしまうと、腰椎に負担がかかりやすく腰や背中が張ったり、痛くなったりしがちです。骨盤が前にも後ろにも倒れすぎないニュートラルな状態(いわゆる骨盤を立てた状態)で過ごすためにはクッションを持参したり、足置きとなるようなものを置いたりして、膝の位置を股関節と同じ高さにすることも良いでしょう。移動中に寝てしまうことがあるかもしれませんが、姿勢が崩れやすくなるだけではなく、深い眠りに入って脳や体が休息状態になり、起きてから動き出すまでにある程度時間がかかることも想像できます。体に余計な負担をかけないためには、移動中の過ごし方にも配慮する必要があります。
●移動後に心がけたいこと
目的地についたらまずは周囲を歩きながら軽くストレッチを行いましょう。特に背中や腰、お尻の筋肉が張ってしまうと腰背部への負担が大きくなり痛みを感じることがあるかもしれません。できればチーム全体で行うウォームアップの前に、各自で気になる部位を中心にストレッチを行うようにしましょう。また水分補給も忘れずに行いましょう。移動中の空間では空気が乾燥しやすく、水分補給をしていないと軽度の脱水状態になっていることも考えられます。よりよい準備を行った上で、練習や試合に臨むように心がけましょう。
文:西村 典子
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