中央大のドラフト候補スラッガー・森下翔太など2022年「戦国東都」の注目選手を紹介!
森下翔太、福山優希
2022年の東都大学野球リーグは4月2日(土)。90年の歴史を誇るリーグで史上初となる地方開催、大分県での開幕を迎えた。九州の地で、今年のドラフト注目選手は、どのようなプレーを繰り出したのか、詳細にレポートする。
「戦国の東都」を春秋連覇した王者・國學院大対中央大のカードで幕開けとなった。2回裏、中央大はプロ注目の4番・北村 恵吾内野手(4年=近江)が左翼へソロホームランを放ち先制を果たす。捕手の要求よりも厳しいコースに投じられたアウトローの球を見事にすくい上げての1発。東都の実力をいきなり大分のファンにみせつけた。
4回表、國學院大はこちらもプロ注目の山本 大輔外野手(4年=大手前高松)が1発を放ち同点に追いつく。内に来たボールを見事に振り抜き、打球は右中間スタンドに吸い込まれていった。
その後、4対2と國學院大がリードして迎えた8回裏、ドラフト上位の指名が期待される中央大の大砲・森下 翔太外野手(4年=東海大相模)が外寄りの変化球を見事に拾い上げて左翼へソロホームラン。4対3と肉薄するものの、國學院大の巧みな継投の前に力尽きた。開幕戦は王者・國學院大が4対3で制したが、両行の注目選手が持ち味を存分に発揮した試合となった。
國學院大は翌日3日に行われた2回戦も勝利し連勝。昨年に続く戴冠に向けて幸先のよいスタートを切った。2回戦でも輝いたのは中央大の森下。8回表の打席、初球の直球を狙いすまし右中間へ放り込んだ。打った球種、方角も1戦目と異なるという、内容の伴った一打を披露し、評価を高めた。
4月2日の開幕戦の2試合目。青山学院大対日本大という強豪同士の好カードとなった。青山学院大はこの試合を5対2で制すと、翌日の第2試合でも8対1と日本大を圧倒。見事な連勝で勝ち点1を獲得した。
このカードで輝いたのは青山学院大のプロ注目の切り込み隊長・山田 拓也内野手(4年=東海大相模)だ。初戦こそ無安打だったが、第2試合の初回にインハイの直球を見事に引っ張って先頭打者ホームラン。2ボール1ストライクからの思い切りのいい見事な打撃だった。その後の5回の打席でも、今度は変化球を上手く合わせて右翼に2ランホームラン。170センチに満たない小柄な体格ながら1試合2本塁打のパワーを見せつけ、大分の地でプロ入りアピールに成功した。
4月2日の第3試合は駒澤大対亜細亜大。東都の雄同士の対戦だ。
第1戦は亜細亜大が3対2と競り勝ち、翌4月3日の第2戦は駒澤大が4対1で制した。1勝1敗となり、4月4日に第3戦が行われ、亜細亜大が1対0と大接戦をものにした。実力校らしい白熱の接戦を演じたこのカードは、ドラフト候補の選手たちも明暗が分かれた。
目覚ましい活躍を見せたのは駒澤大のトップバッター・林 琢真内野手(4年=東邦)だ。第1戦で4打数2安打、第2戦では2打数1安打2四死球、第3戦でも4打数2安打。チャンスメークだけでなく得点に繋げる働きも見せ、チームに勢いをもたらした。
一方、プロが注目する駒澤大の福山 優希投手(4年=八戸学院光星)は第1戦に登板し、3回を投げ5安打2失点で負け投手となった。雌雄を決する第3戦でも2番手としてリリーフ登板をしたが、1回を投げ1失点でまたも負け投手となってしまった。今後の巻き返しに期待したいところ。
亜細亜大の主将で攻守の要である田中 幹也内野手(4年=東海大菅生)は、第1戦はノーヒットだったものの2四死球を選びチームに貢献。第2戦も無安打に終わったが第3戦で2打数1安打と安打を記録した。国指定の難病「潰瘍性大腸炎」からの復活を期す今シーズン、これから徐々にエンジンを全開に持って行ってほしい。