【オリックス】高卒1年目デビューで続々と片鱗見せチャンス掴んだ若手たち
宮城大弥(興南出身)と紅林弘太郎(駿河総合出身)
昨年パ・リーグを制したオリックスは、高卒2年目の宮城 大弥投手(興南出身・2019年1位)が13勝を挙げ、同じく高卒2年目の紅林 弘太郎内野手(駿河総合出身・2019年2位)が規定打席に到達した。紅林は打率.228(448打数102安打)と打撃面で苦しんだものの、136試合に出場。レギュラーとして起用された。
ふたりは1年目から1軍で出番を勝ち取っていた。ルーキーイヤーに宮城は3試合(16回)に登板し1勝1敗、防御率3.94の成績を残しプロ初勝利をマークしている。紅林も5試合に出場しプロ初安打を記録するなど打率.235(17打数4安打)の成績を残していた。もちろん昨年のように確固たる戦力というわけではなかったが、初勝利と初安打をクリアしていたのである。
これまでオリックスの高卒ルーキーたちは、このふたりのように1年目から1軍での出場機会を勝ち取ってきたのだろうか。過去3年を振り返ってみたい。
2018年のドラフトでは太田 椋内野手(天理出身・2018年1位)と宜保 翔内野手(未来沖縄出身・2018年5位)のふたりの高卒選手を指名した。太田は開幕前の教育リーグで死球を受けたことで離脱。2軍でのデビューも6月を過ぎてからだった。その後9月半ばに1軍へ昇格すると安打こそ生まれなかったが6試合でスタメン出場を果たしている。宜保も9月に昇格を果たすと8試合(スタメン7試合)に出場。プロ初安打を記録するなど5試合で安打を放った。
2019年のドラフトでは宮城と紅林に加えて前 佑囲斗投手(津田学園出身・2019年4位)も指名されている。しかし前は1年目に1軍での出場機会はなかった。
2020年のドラフト組では来田 涼斗外野手(明石商出身・2020年3位)が23試合に出場した。初打席初安打初本塁打を放つなど打率.211(71打数15安打)、2本塁打と才能の片鱗を見せている。山下 舜平大投手(福岡大大濠出身・2020年1位)、元 謙太外野手(中京出身・2020年2位)、中川 拓真捕手(豊橋中央出身・2020年5位)の3人は1軍出場がなかった。
オリックスの高卒ルーキーを見ると、1年目から1軍で出番を与えられる機会は少なくない。ドラフト1位の金の卵だけでなく中位・下位指名の選手たちもチャンスをつかんでいる。今年唯一の高卒ルーキーである池田 陵真外野手(大阪桐蔭出身・2021年5位)も1軍での出番を勝ち取ることができるだろうか。
【高卒ドラフト指名選手の1年目成績】
※育成指名は1年目に支配下登録された選手のみ
<2018年ドラフト>
太田 椋(天理出身・2018年1位)
6試合 打率.000(13打数0安打) 0本塁打
宜保翔(未来沖縄出身・2018年5位)
8試合 打率.231(26打数6安打) 0本塁打
<2019年ドラフト>
宮城大弥(興南出身・2019年1位)
3試合(16回) 1勝1敗 防御率3.94
紅林弘太郎(駿河総合出身・2019年2位)
5試合 打率.235(17打数4安打) 0本塁打
<2020年ドラフト>
山下舜平大(福岡大大濠出身・2020年1位)
1軍出場なし
来田涼斗(明石商出身・2020年3位)
23試合 打率.211(71打数15安打) 2本塁打
(記事:勝田 聡)