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高校球児ファーストだからこそ…3年生限定、「クリスマス決戦」冬の全国大会開催を提案!

2022.01.01

高校球児ファーストだからこそ…3年生限定、「クリスマス決戦」冬の全国大会開催を提案! | 高校野球ドットコム

 あけましておめでとうございます。2022年がスタートしました。今年も「高校野球ドットコム」をよろしくお願い申し上げます。

 前職、スポーツ新聞社を早期退職し、本サイトに関わりはじめて約半年が経ちました。自身が高校球児だったこともあり、高校野球に携われている現状に幸せを感じています。しかし、同時に高校野球界に対して不安に思っていることがあることは否めません。

 高校野球界の関係者が口をそろえる野球人口減少の問題です。出生率が下がり、人口そのものが減少していることもありますが、昔ほど野球人気が高いわけではなくなってきています。スポーツの多様化により、スポーツ人口があらゆる競技に分散しています。それはもちろん、いいことではありますが、相対的に野球人口が減っているとするならば、それは野球という競技が衰退していることにつながります。

 現状維持は後退を意味する、という言葉をよく耳にします。野球界、とりわけ高校野球界もこれからどんどん変わっていかないといけません。小さくてもいいです。問題が改善でき、子供たちに魅力を感じてもらえる何かを変えていかなくてはいけないのではないでしょうか。

 2022年を迎える節目で、懸念している事柄で頭に描いていることがあります。それは、夏が終わった3年生を対象とした大会を設けてはどうかということです。

 多くの球児は夏の甲子園につながる選手権大会が最後の大会です。負けた時点で大会がありません。大会が早く開催される沖縄などでは6月下旬には、もう終わりです。翌年の3月まで半年以上は試合をすることがありません。もちろん勉学へと方向転換する球児も多いでしょうが、大学、社会人、プロ野球と上のステージで頑張りたいと思っている球児にすれば、モチベーションがなくなります。現状では個人的に学校で練習を続けていますが、やはり効果は限定的でしょうし、何より実戦経験が積まれません。

 例えば、夏の大会で準優勝に終わり、あと一歩で甲子園を逃した高校が、地区ごとに集まり「リベンジマッチ」として「2位校の地区王者」を決めるとかはどうでしょう。サッカー、ラグビーの地区大会でも「2位校」のトーナメントを行っています。もう少し間口を広げ、4強に進みながら優勝できなかった3校が集まってもいいでしょう。逆に初戦敗退に終わったチームだけの交流戦とかでもいいと思います。3年生が少ない高校もありますから、希望者だけで連合チームを作って出場すればいい。どんな形でもいい。春も夏も甲子園にいけなかった3年生限定の大会を作ってあげたいのです。

 その試合を冬に行います。屋外での試合は無理なので、ドーム球場を使います。新型コロナの影響で、昨年の社会人野球の都市対抗が12月上旬にかけて行われました。野球は夏以外でもやろうと思えばやれるスポーツだと感じました。新チームの秋の各地区大会後であれば日程上も大きな問題もないでしょう。札幌、東京、名古屋、大阪、福岡のドーム球場別に大会を行い、優勝チームはさらに全国一をかけてどこかのドームで決勝大会を行う。決勝戦は毎年12月25日のクリスマス。夢はどこまでも広がっていきます。

 新年早々「ばかげた話をするな」とお叱りを受けるかもしれませんが、何もせずに毎年同じことを繰り返していても未来がなくなっていきそうで不安です。昨年夏も長い雨の影響を受け、コロナの影響を受け、甲子園大会そのものも大会運営、方式について議論が活発になっています。「高校球児ファースト」であるためには何が必要なのか。長く続いてきたいい伝統は守りつつ、新たな伝統を作り上げていく努力も必要だろうと考えるのです。

(記事:浦田 由紀夫)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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