9億円で契約更改 楽天・田中将大を評価する本当に凄い成績
田中将大投手
2021年、日本球界に復帰した楽天・田中将大投手(駒大苫小牧出身)が契約更改。現状維持の9億円(推定金額)ということが報じられた。
メジャーでの実績十分の田中が日本球界復帰とあって、多くのファンから注目が集まり期待が寄せられたが、復帰シーズンは4勝9敗という結果に終わった。5つの負け越しという内容で、チームも3位でレギュラーシーズンを終えた。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは、ロッテの前に敗れ、目指してきた日本一には手が届かなかった。
NPB通算100勝を達成したとはいえ2013年での日本一、そしてメジャーでの活躍を考えると、田中の4勝は物足りないと感じてしまう人もいるだろう。ただその他の数字を振り返れば、9億円で更改したのも納得する結果が並んでいる。
<田中将大 2021年の成績>
23試合登板 4勝9敗 防御率3.01(5位)
投球回155.2回(6位) 奪三振126、与四球29、与死球5、自責点52
K/BB4.34(3位)、奪三振率7.28、QS率73.9(3位タイ)、WHIP1.03(2位)
※()はパ・リーグ順位
投球回はリーグ全体6位という結果は、チームではトップの数字。上位には各チームのエース級並んでいることを踏まえると、田中は投手陣の大黒柱として活躍していたことが見えてくる。
さらに成績を振り返ると、WHIPという1回にどれだけのランナーを出すのかを示す指標はリーグ2位という結果。その他にもQS率やK/BBは3位という数字が並んでいる。
勝ち星に結びつかなかっただけで、トータルの成績で振り返っていくと、リーグ内でも屈指の安定感をシーズン通じて発揮していたことが見て取れる。田中というと、唸るような剛速球で三振を取る闘争心あふれる投球が強く印象に残っているが、ベテランに差し掛かろうとしているなかで今シーズンの結果は素晴らしいといっていいだろう。
また、田中を除く防御率上位5人を見れば、オリックス・山本由伸投手(都城高出身)はじめ20代が並んでいる。そうした点を踏まえても、30代の田中の活躍は光るものがあり、期待を込めて現状維持での更改も納得できるのではないだろうか。
2022年シーズンも今シーズン同様、安定感抜群の投球を見せ、今度こそ日本一を掴むことが出来るか。来季も田中の登板が楽しみだ。