最速156キロ右腕の来季に期待、プロ6年目にかける
創価大時代の田中 正義投手
「大器のお目覚め」と思いたい。ソフトバンク田中 正義投手(創価出身)が1日、契約を更改し、プロ初のアップとなる200万円増の1300万円(推定)でサインした。来年がプロ6年目となる右腕の飛躍に期待がかかる。
昨年は18試合に登板し、ホールドもマーク。14奪三振を記録するなど、ようやく自分の投球を披露できるようになった。5球団の競合の末、ドラフト1位でソフトバンクに入団してから5年。「鳴り物入り」でプロの門をたたいた右腕が花を咲かせるつもりだ。
◎田中の一軍成績
<2018年>
10試合 0勝1敗 0ホールド 防御率8.56
13.2回 18安打 15奪三振 6四球 13自責
<2019年>
1試合 0勝0敗 0ホールド 防御率0.00
0.2回 1安打 0奪三振 2四球 0自責
<2021年>
18試合 0勝0敗 1ホールド 防御率2.16
16.2回 9安打 14奪三振 8四球 4自責
田中はここまで毎年ケガと戦ってきた。ルーキーイヤーの1年目は3月に右肩に違和感を覚えた。2年目は開幕一軍を勝ち取るも7月に体調を崩して離脱。3年目は、キャンプで順調だったが、終盤に右肩に張りを覚えた。昨年は右ひじを痛めて1軍の登板はなかった。150キロを超える切れ味鋭い直球が戻ってきそうになると、ケガをする連続。本人も気持ちが切れそうになりながらも、オフでもトレーニングを続けてようやく今年の成績を収めることができた。
今年の秋季キャンプでは、藤本監督からMVPの1人にも選ばれ、先発としても期待しているとの言葉に、田中本人もモチベーションが上がっているという。ケガとの闘いを三軍監督、二軍監督として見てきた藤本監督からの言葉だけに、気持ちが上がらないわけがない。
今季Bクラスに沈んだ「王国」は、新たに生まれ変わろうとしている。200万円とはいえ、アップ更改となった最速156キロ右腕。創価大時代に、NPB選抜から7者連続三振を奪い、リーグ戦では無安打無得点試合もマークした、あの姿をもう一度見たい。
(文=浦田 由紀夫)