除脂肪体重を増やすためのタンパク質摂取術
おにぎりに含まれるタンパク質と糖質は練習後の補食にピッタリ
これからオフシーズンにかけて「体を一回り大きくしてパワーアップしたい!」と考える選手は少なくないでしょう。そのために必要なものは「トレーニング(練習)」「休養」そして「栄養」です。この3つの要素をバランス良く整えることで皆さんの考える「大きな体」に近づくことができます。大きい体といっても体脂肪ばかりがついてポッチャリしてしまうのではなく、筋肉をつけてより大きな力を発揮することができる体を目指しましょう。
筋肉の主な材料はタンパク質(分子レベルまで分解するとアミノ酸)です。アスリートは1日に体重(kg)×1.5〜2g程度のタンパク質が必要といわれており、体重70kgの選手であれば単純計算で1日に105〜140g程度のタンパク質を摂りましょうということになります。そしてさらに大事なことはこのタンパク質をこまめに分けて摂ることです。実はタンパク質は1回の食事で筋肉の合成に使われる摂取量に限界があり、一度に大量のタンパク質(プロテインなど)を摂取しても使われる量はある程度決まっていると言われます。1回の食事でとるタンパク質の目安は15〜25g程度とし、これを三度の食事に付け加えて補食や寝る前などにこまめに分けて摂ることがより効率よく筋肉の合成に役立つと考えられています。
タンパク質を筋肉の材料として役立てるためには、食事の欠食は避けなければなりません。貴重なタンパク質摂取の機会を減らしてしまうからです。特に朝食は寝坊したり、朝の準備でバタバタしたりして「時間がないからいいや」と軽く済ませたり、抜いてしまったりしがちです。体を大きくして野球のパフォーマンスを高めるためには、朝食をしっかりと摂ることもトレーニングの一部と考えましょう。
また補食も貴重なタンパク質摂取の機会です。トレーニング後は体がタンパク質を材料にして筋肉の合成を促すため、トレーニング後なるべく早くタンパク質を摂取するというのが一般的です。ただし通学時間が長く、適切にタンパク質を摂ることがむずかしい場合は、補食などをうまく活用すると良いでしょう。プロテインを飲むという選手も多いと思いますが、基本は食事(軽食)で摂り、不足分を補うようにすることが理想的です。補食では肉まんや鮭・おかか・ツナマヨ等のおにぎり、ハムサンドウィッチ、ヨーグルトジュースなどタンパク質を多く含むものを選ぶようにします。タンパク質は三食+補食でこまめに摂ることを心がけましょう。
文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!