背番号11奥川が4連勝、防御率0.68でM11点灯させた
高校時代の奥川 恭伸(星稜出身)
高卒2年目右腕とは思えないマウンドだった。8日、熾烈な優勝争いの「天下分け目」の阪神3連戦の初戦を任されたヤクルト奥川恭伸投手(星稜出身)が、7回途中1失点でチームを勝利に導いた。6年ぶりの優勝へ、マジック11を点灯させるとともに、自分自身も4連勝を飾った。今季9勝目は、小川に並ぶチームトップタイ。2ケタ勝利に王手をかけた。
9月に入ってから4連勝。その投球内容は目覚ましいものがある。
9月7日阪神戦 7回2安打8三振0四球0死球0失点0自責
9月17日巨人戦 7回5安打5三振0四球1死球1失点1自責
9月28日DeNA戦 6回3安打4三振0四球0死球0失点0自責
10月8日阪神戦 6回3分の2、4安打2三振1四球0死球1失点1自責
4試合26回3分の2を投げて、わずか2自責点。防御率0.68と安定感抜群の結果を残した。勝利数は打線の援護や相手チームの投手との兼ね合いもあるが、防御率は自分の投球を表す。4連勝は自分の投球でもぎ取ったもの。大きく胸を張っていい。残念ながら、連続無四球は途切れてしまったが、4試合で1四球1死球である。20歳と半年とは思えない数字だ。
星稜高校3年夏、決勝で負けて準優勝に終わったが、2年春から4季連続して甲子園にチームを導き、重圧を1人で背負って投げ抜いてきた。プレッシャーの中で投げれば投げるほど、力を発揮するタイプなのだろう。9月に入って、ヤクルトが快進撃を続ける上昇カーブに比例するように、奥川の潜在能力も開花してきた。
まだあどけない表情も浮かべることもある右腕が実に頼もしく見える。6年ぶり優勝へのカウントダウンは、奥川の雄たけびからスタートする。