試合レポート

静岡市立vs浜松市立

2021.09.24

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静岡と浜松の市立校対決は延長にもつれ込んで10回、静岡が辛勝

静岡市立vs浜松市立 | 高校野球ドットコム
静岡市立・近藤雅也君

 静岡県は、それぞれの都市に市立高校があり、部活動を頑張っているところも多い。そんな静岡県を代表する主要都市の静岡市と浜松市の市立校同士の対決戦となった。静岡市立は2001(平成13)年夏を含めて、春夏合わせて4度の甲子園出場を果たしたという実績も背負っている。比較的新しい浜松市立としては、そんな静岡市立に負けずに着いていきたいところでもあろう。

 静岡市立は右サイドハンドからスリークォーターの技巧派近藤雅也君、浜松市立刑部優君が先発。取り立てて球威があるというワケではないものの、どちらも丁寧な投球で制球もよく、走者は出しても点を与えないという投球で試合を作っていっていた。

 秋季大会らしい戦いとも言えるものだったが、投手優先の展開で、どちらも打線に決め手を欠いていたといってしまえばそれまでかもしれない。だけど、そういう以上に、両投手が自分の持ち味を発揮して投げていたことを評価していった方がいいであろう。

 お互いに点が入らないまま中盤に差し掛かった4回、静市は相手失策もあって二死二塁という場面で、5番岸本君が左中間へ運ぶ二塁打で二塁走者を帰して先制。その裏、浜市も先頭の3番山田君がすぐに左中間二塁打したが、ここは近藤君がよく凌いだ。内野ゴロを三塁で刺せたのも大きかった。

 しかし浜市は6回、1番からの好打順を生かして竹村君の安打などで二死二三塁となったところで、5番に入っている刑部君が遊撃内野安打で三塁走者を帰して同点とした。

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何とかピンチを逃れたい静岡市立

 終盤に入ると、浜市は毎回先頭打者が安打で出塁していたものの、静市は代わってレフトに入ったばかりの相模君が、一死二塁で、あわやポテン安打かという打球に対してダイビングキャッチで捕球し失点を防いだ。安井信太郎監督としても、起用してすぐの選手の好プレーに「我ながら驚いた」というビッグプレーだった。

 それでも、試合の流れはやや浜市寄りだった。9回に静市は一死一三塁まで攻めたが無得点。浜市も一死一二塁、二死一三塁というサヨナラ機も得たもののあと一本が出なかった。
こうして延長にもつれ込んでいった試合。

 10回の静市は一死から2番後藤君が左前打で出るとしっかりとバントで送り二死二塁。この直後、暴投があって労せずして三塁へ進めたのが大きかった。4番青山君は、ここまで無安打だったが、「打ち返してシングルでもいい」ということで、力むことなくスムーズにバットが出て、これがセンターオーバー二塁打となった。

 その裏の浜市は、先頭の大窪君が右前打で出たものの、近藤君は冷静で、最後は6~4~3の併殺で切り抜けて接戦を逃げ切った。

 安井監督は、「よく粘って、何度かあったピンチをよく凌いでくれた。(近藤投手は)球は全然速くないんだけれども、コースがよかったですね。自分たちのやるべきことをしっかりとやって行こうという姿勢を示し切れたことがよかった」と、選手たちのひたむきな姿勢を評価していた。

(取材=手束 仁

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チーム初安打を放った浜松市立・山田君

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シートノックを受ける静岡市立の選手

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かなり強い風も吹いていた球場

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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