池田vs鳴門
名門・池田、王者鳴門の夏4連覇阻み、29年ぶり夏甲子園へ大きな一歩!
最後の打者を打ち取りガッツポーズを見せる池田・篠原 颯斗
5回終了時のグラウンド整備。早々に引き上げた鳴門に対し、丁寧に選手が戻ってくるまで土をならしつづけた池田。この控え選手も含めた「チーム一丸」の差が試合の明暗を分けた。
徳島池田先発の最速149キロ右腕・篠原 颯斗(3年・181センチ80キロ・右投右打・美馬市立江原中出身)は、最速148キロを出し5安打無四球完封した阿南高専戦から一転、この日は常時130キロ中盤・最速144キロに留まる苦しい内容。それでも要所は130キロ台のフォークと120キロ台のスライダーも駆使し、6回までに鳴門2番・杉山 敬基(3年・中堅手・172センチ77キロ・左投左打・阿波市立市場出身)の適時打2本のみの2点で踏ん張った。
すると徳島池田打線は6回裏・ここまで好投を続けてきた鳴門左腕・冨田 遼弥(2年・177センチ80キロ・左投左打・藍住町立藍住中出身)を一気に攻略。無死一・三塁から4番・小角 光太(2年・三塁手・175センチ72キロ・右投右打・三好市立三好中出身)の三塁ゴロで1点を返すと、なおも一死二・三塁から6番・丸井 健太朗(3年主将・捕手・166センチ71キロ・右投右打・尼崎西リトルシニア<兵庫>出身)の左前2点打で逆転。その後も代打・森 幹太(2年・三塁手・157センチ61キロ・三好市立池田中出身)のスクイズなど打者9人の猛攻で4点を奪うと、7回裏・8回裏にも1点ずつを奪って試合の主導権を握り切った。
負ければ夏の県大会4連覇が途絶える第1シード・鳴門も9回表に篠原を攻め2点を返したものの反撃もここまで。新チーム結成以来常に「打倒鳴門」を掲げてきた徳島池田が王者を倒し準々決勝進出。127球10安打完投した篠原の涙と共に名門は29年ぶり10回目の夏の甲子園出場へ大きく前進した。
池田:井上 力監督コメント
1ヶ月前に鳴門との練習試合で敗れて以来、この日に勝つことを信じてやってきた。選手たちがよく状態を盛り上げてやってくれました。篠原はベース幅、高低を使ってよく投げてくれました。
池田:丸井 健太朗(3年主将・捕手)コメント
(6回裏の逆転打について)打ったのはチェンジアップ。前の打席でタイミングを崩されていたので、逆方向中心に考えていたのがよかったです。鳴門からは今までにない圧を感じましたが、篠原を冷静でいるようにさせながら、彼の真っすぐを信じてインコースを投げさせました。
池田:篠原 颯斗(3年・投手)コメント
1ヶ月前から鳴門を倒すことだけを考えてやってきたので、勝った時は自然とこみあげてくるものがありました。勝って泣いたのははじめてです。今日は4失点でしたが、最終回以外は1イニング1失点に抑えることができたのがよかったと思います。練習試合後にはインコースを使わないと勝てないことが解ったので、ブルペンから意識してインコースを投げてきましたし、向かっていく気持ちで臨みました。
鳴門:森脇 稔監督コメント
篠原くんに力負けでした。(6回裏の4失点は)あれだけ自分たちでミスをしたらダメですね。最後は粘りましたが、下級生も多いのでこの経験をどう活かすかが大事だと思います。
(レポート=寺下 友徳)