過去最多タイ5人指名の可能性も?今年の戦国千葉を沸かせる5人の逸材たち
7月1日から一斉に公式戦が開催される。第103回千葉大会。千葉県いえば、投手王国といわれているように、千葉ロッテで活躍する唐川侑己。東北楽天ですでに7勝を挙げている早川隆久など投手の活躍が目立つ。
また、高卒指名投手が毎年続いており、ドラフト的にはかなり注目度が高い県である。
2021年千葉大会展望
第1回:専大松戸ブロックに強豪校集結…。それでも専大松戸が期待できる理由
第2回:県立船橋、市立船橋、幕張総合のブロックに実力が集結!ノーシード大躍進の可能性大!
第3回:成田、木更津総合、習志野…と注目度No.1ブロックのシード校の課題は?
第4回:全国屈指のスラッガー擁する千葉学芸と投手力は県内ナンバーワンの中央学院の課題は?
2010年以降の高卒からプロ入りした千葉出身選手
金久保優斗(東海大市原望洋出身)、上沢直之(専大松戸出身)
【投手】
2011年 上沢直之(専大松戸-北海道日本ハム)
森 和樹(市立柏-元巨人)
2012年 相内誠(千葉国際-元埼玉西武)
2015年 原嵩(専大松戸-千葉ロッテ)
2016年 島孝明(東海大市原望洋-元千葉ロッテ)
2017年 金久保優斗(東海大市原望洋-東京ヤクルト)
2018年 古谷拓郎(習志野-千葉ロッテ)
2019年 横山陸人(専大松戸-千葉ロッテ)
【野手】
2015年 渡辺大樹(専大松戸-東京ヤクルト)
2019年 長岡秀樹(八千代松陰-東京ヤクルト)
投手は早川隆久(木更津総合-早稲田大)、ソフトバンクで活躍する高橋礼(専大松戸-専修大)のように大学経由で活躍する投手も多く、「投手王国千葉」といわれたのも頷ける。
今年は過去最高のドラフト指名が期待できるのでは?と期待されている。近年で、高卒から最も指名が多かったのは2007年の5名。
丸佳浩(千葉経大附-広島-巨人)
唐川侑己(成田-千葉ロッテ)
岩嵜翔(市立船橋-福岡ソフトバンク)
山崎正貴(市立船橋-元オリックス)
坂本大空也(市立柏-元横浜)
2007年以来の5名のプロ入りが期待できるのも、野手のレベルが例年以上に高いということが大きい。
[page_break:今年の戦国千葉を沸かせる5人の逸材たち]今年の戦国千葉を沸かせる5人の逸材たち
村山亮介(幕張総合)、有薗直輝(千葉学芸)、粟飯原 龍之介(東京学館)
まず1人目が千葉学芸の有薗直輝。高校通算67本塁打を放っており、さらに投手として148キロを誇る大型三塁手。これまで豪快な長打力を披露してくれたが、スカウトは滞空時間の長い飛球を評価している。東京学館との練習試合ではそんなフライを見せてくれた。
投手としても最速148キロ右腕として知られている。千葉学芸初の甲子園には、有薗の投手としての活躍が不可欠であり、ベールを脱いだ投球を期待したい。連日、多数の球団スカウトが試合を見ており、そのたびに豪快な打撃と強肩を披露し、スカウトが絶賛をしている。あとはレベルの高い投手への対応が課題となるだろう。
2人目は幕張総合の村山亮介だ。185センチ107キロと高校生離れした体格をした右の強打者です。高校通算36本塁打とスローイングタイム1.9秒台(最速1,86秒)の強肩と、公立校ながらそのポテンシャルの高さは高く評価をされている。
3人目は東京学館の粟飯原 龍之介だ。昨秋の千葉県大会では3本塁打を放ち、一躍注目を浴びた遊撃手だ。中学時代は成田シニアでプレーしながら、バレー部を兼部しており、スパイク、サーブなどの練習を経て、打点が高いフォームが身につき、強肩を生んだ。
現在は高校通算33本塁打まで伸び、プロのスカウトからかなりマークしており、昨秋取材した時は大学進学の意向だったが、先日、取材したときはだいぶドラフトへ向けて気持ちが変わってきている様子だった。
千葉学芸戦の練習試合では左腕の北田悠斗投手から痛烈な二塁打を放った。高校野球ドットコムではスカウトから評価が急上昇している粟飯原の打撃動画、守備動画を多数収めているので、ぜひチェックしてほしい。取材をして頼もしいと思ったのは、これほどライバルがいることに喜びを感じている様子だった。口数は少ないタイプだが、夏にかける決意がひしひしと伝わってきた。
この3人の共通点は中学時代は実績があまりなかった点だ。有薗は名門・佐倉シニアでクリーンナップを打つも通算2本塁打。村山は千葉西シニア時代、打順が下位でバントが多かった選手。粟飯原は控えだった。
中学時代、スーパーな実績を残したわけではない選手が千葉の学校でドラフト候補として高く評価を受けている選手まで成長していることに、快挙であり、そのうち1人が今年の高校生トップクラスの通算本塁打を放っていることは例年の千葉県では考えられなかったことであり、千葉県の高校野球界にとって誇りにできる1年だ。
[page_break:]細谷怜央(中央学院)、深沢 鳳介(専大松戸)
続いて投手では2人の可能性がある。まず専大松戸の深沢 鳳介。右サイドから最速143キロの速球、切れのあるスライダー、シンカー。右サイドながらカーブをうまく使える投手で、奥行きのある投球は高校生とは思えない。深沢はプロに行くためにストレートを磨き、平均球速を140キロ以上にしたいと語っていた。投球の基礎は出来上がった投手なので、夏までパワーアップした投球を期待したい。
中央学院の細谷怜央も注目だ。最速150キロの速球と120キロ後半のスライダー、フォークを操る豪腕。速球が注目される細谷だが、昨秋の県大会ではカーブを効率よく使う投球が魅力的で、丁寧さと豪快さを兼ね備えた投球を表現できれば、十分に指名圏内に入る投手だといえる。
この5人はこれまでのスカウトの視察や注目度が高かった選手としてピックアップしている。指名当確になるには夏次第というところだろう。全員が驚くようなパフォーマンスを見せればその可能性は十分にある。
逆にこれまでノーマークだった選手が評価を急上昇させて、この5人にはないパフォーマンスを見せれば、もっと変わっていくだろう。
1つだけ言えるのはこれだけドラフト候補が集結した1年は本当に珍しい。ぜひ2021年の戦国千葉を盛り上げることを期待したい。
(記事=河嶋 宗一)
2021年千葉大会展望
第1回:専大松戸ブロックに強豪校集結…。それでも専大松戸が期待できる理由
第2回:県立船橋、市立船橋、幕張総合のブロックに実力が集結!ノーシード大躍進の可能性大!
第3回:成田、木更津総合、習志野…と注目度No.1ブロックのシード校の課題は?
第4回:全国屈指のスラッガー擁する千葉学芸と投手力は県内ナンバーワンの中央学院の課題は?