試合レポート

立教新座vs西武台

2021.04.28

強打の立教新座が打ち合いの末、最後はコールドで西武台を下し、いざAシード喰いへ

立教新座vs西武台 | 高校野球ドットコム
立教新座の得点シーン

 [stadium]所沢航空公園球場[/stadium]の第二試合は西武台立教新座という共に打線に自信を持っている両チームの一戦は、序盤から激しい展開となる。

 スタメンは両チーム共に先発投手の所以外は変動なし、先発は立教新座がエースの髙橋龍太郎(3年)、一方の西武台はエース岩崎寛太(2年)ではなく、2年生左腕の横山直斗(2年)が登板し試合が始まる。

 初回、立教新座西武台・横山の立ち上がりを攻めたて、先頭の横山大悟(3年)が四球を選び出塁すると、続く白金凌(3年)がレフト線へ二塁打を放ち無死二、三塁とする。ここで3番・南木力斗(3年)がライト前タイムリーを放ちまず1点、続く金子永(2年)もレフト前タイムリーを放ち2点を奪い、横山をマウンドから引きずり降ろす。

 代わった西武台のエース岩崎に対しても立教新座は攻撃の手を緩めず、なお無死一、三塁とし5番・佐藤駿(2年)の所で相手のワイルドピッチで3点差をつけると、さらに相手のエラーと四球で無死満塁とする。だが、そこは西武台・岩崎の踏ん張りもあり後続が打ち取られ3点で初回の攻撃を終える。

 一方打撃に自信を持っている西武台もすぐに2回表、一死から6番・青山廣大(2年)がレフトへソロ本塁打を放ちすぐに1点を返すがこの日は投手陣がピリッとしない。

 立教新座は2回裏、この回先頭の横山が四球を選び出塁すると、続く白金も死球で出塁し無死一、二塁とする。3番・南木がきっちりと送り一死二、三塁とすると、続く金子が右中間へ2点タイムリー三塁打を放ち5点目、さらに6番・佐藤もレフト前タイムリーを放ち6対1とする。

 だが、西武台も3回表、先頭の才田翔也(3年)がライト前ヒットを放ち出塁すると、続く村田大貴(3年)が追い込まれた所でエンドランを仕掛ける。村田は三振に倒れるが才田は二塁へ進み一死二塁とすると、3番・深田翔太(3年)がレフト前ヒットを放ち一死一、三塁とチャンスを広げる。続く渡邉新太(2年)はあわや本塁打という打球であったが、センターへの犠飛を放ち1点を返し6対2とする。

 打線が反撃ムードを醸し出す西武台であったが、この日はエース岩崎に立ち直る兆しが見られない。

 3回裏立教新座は、この回先頭の浅見龍彦(2年)が四球で出塁すると一死後、一走・浅見がディレードスチールを決め一死二塁とする。二死後、1番・横山がレフト越えのタイムリー二塁打を放ち西武台・岩崎をマウンドから引きずり降ろす。3番手・福井晃(2年)に対しても代わり端を攻め、続く白金がセンター越えのタイムリー二塁打を放ち8対2とし一気にコールドペースへ持ち込む。



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西武台の得点シーン

 だが、西武台が必死の抵抗を見せる。

 5回表、先頭の才田がレフト前ヒットを放ち出塁すると、続く村田の所でエンドランを仕掛ける。これは内野ゴロに終わるが、一走・才田は二進し一死二塁とする。ここで3番・深田が三塁線を破るタイムリー二塁打を放ちまず1点、さらに二死後8番・福井の所で西武台ベンチはエンドランを仕掛けるとこれがレフト前タイムリーとなり8対4とし試合前半が終わる。

 ここまでは圧倒的に立教新座が優勢である。だが、互いに打線に自信を持っている両チームであり6,7回の攻防に注目していた。というのも立教新座のエース髙橋は5回で既に100球以上を投げていた。それだけに立教新座にとってこれ以上の失点は命取りとなる。

 迎えた6回表、西武台はこの回先頭で途中出場の武井大智(3年)がセーフティーバントを決め出塁すると、続く岩本大湖(2年)がきっちりと送り一死二塁とする。二死後、村田が死球で出塁し二死一、三塁とすると、一走の代走・吉野凌世(3年)が二盗を決め二死二、三塁とし3番・深田を迎える。だが、頼みの深田が凡退し無得点に終わる。

 するとその裏、中盤やや劣勢に立たされていた立教新座が一気に突き放しにかかる。一死から南木がセンター前ヒットを放ち出塁すると、続く金子の所ですぐさま二盗を決め一死二塁とする。金子は申告敬遠で歩き一死一、二塁とすると、5番・佐藤がレフト前ヒットを放ちまず1点、さらに続く髙木洸貴(3年)があわや本塁打という大きな犠飛を放ち10点目を奪う。

 立教新座は攻撃の手を緩めず二死一塁から、6番・浅見が四球を選び二死一、二塁とすると、続く荒井幹太(3年)がレフト線へタイムリー二塁打を放ち7点差をつけ再度コールドペースへ持ち込む。

 それでも、西武台は諦めない。7回表、この回先頭の渡邉が死球で出塁すると、一死後青山が四球で出塁し一死一、二塁とする。さらに7番・一郷瑠輝(2年)がライト前へポトリと落ちるヒットを放ち満塁かと思われた。だが、何を思ったか二走・渡邉が一旦帰塁してから慌てて三塁へ向かった事で三塁封殺されてしまう。結局後続も倒れ万事休す。

 結局、立教新座西武台を7回コールド11対4で下し夏のシード権、そしてAシード・細田学園との挑戦権を得た。



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マウンドに集まる立教新座ナイン

 まずは立教新座だが、とにかく打線が振れている。上位、下位どこからでも長打が飛び出し西武台に打ち勝った。外野守備も良くこの日何回かピッチャーを助けるプレーが見られた。

 エース髙橋もストレートはMAX130km前半ほどのオーソドックスな右腕だが、インコースにもきっちりと投げられる投手だ。強打の西武台打線に対し、とにかく粘り強く投げ最少失点で切り抜けた。7回で150球ほどと球数を費やしただけに、これが次戦にどう影響するか。新座市大会では細田学園に乱打戦の末敗れたそうだが、エース髙橋は投げていない。Aシード喰いへ主砲・金子はリベンジに燃えていた。

 一方の西武台だが、ここでの敗戦は痛恨であろう。とにかく先発した横山が誤算であった。今大会エースを任されていた岩崎もBから上がって来たばかりの投手で経験値が足りない。MAX143km右腕の渡邊は肩が万全ではないということで、夏には間に合うそうだが、今大会投げるほうは間に合わなかったそうだ。河野監督曰く、
「渡邉は打撃に専念となった事でやや気負いが見られた。それでも、6失点した時点で投げると言い出して、さすがにスルーしましたが。7回表の走塁ミスについて本来あそこは代走なんですが、もう一回打席が回ってくる可能性があったんで」
と彼を責めることはしなかったが、早期敗退に悔しさを滲ませていた。あくまで今夏や渡邉達の代を見越しての温存だけに、これは致し方ない。

 一昨年秋のリードオフマン武井が地区予選の走塁で指にヒビが入り、間に合わなかったことも大きかった。今大会これまで圧勝した試合が多くこの日は2年生の多い若いチームの脆さが出てしまった。これにより夏はノーシードとなる。打線はすでに仕上がっているだけに、劣勢となった時にどう余計な失点を減らすか。バッテリーの整備が課題であろう。

(取材=南 英博

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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