試合レポート

高知vs鳴門

2021.04.28

好勝負を制した高知「代打の切り札」

高知vs鳴門 | 高校野球ドットコム
4回裏高知無死満塁から7番の代打・岡本 幸大

 1回裏に高知が一死満塁から5番・城田 聖浩(3年・三塁手・右投右打・182センチ74キロ・京都市西京極ボーイズ<京都>出身)の初球スクイズで先制すると、4回表には鳴門が一死満塁から9番・三浦 鉄昇(2年・二塁手・右投右打・166センチ72キロ・鳴門市第一中出身)、1番・井川 欧莉(2年・右翼手・左投左打・177センチ72キロ・高松リトルシニア<香川>出身)の連続適時打で逆転。両校とも甲子園優勝経験を持つ名門校同士による春季四国大会1回戦は、期待にたがわない好勝負となった。

 その中で大きなターニングポイントとなったのは4回裏・高知の攻撃。鳴門先発左腕・冨田 遼弥(2年・左投左打・177センチ80キロ・徳島藍住リトルシニア出身)から2四球と安打で無死満塁とすると、濵口 佳久監督は7番の代打に岡本 幸大(3年・外野手・右投右打・177センチ73キロ・宿毛市立片島中出身)を投入。「打撃を評価してもらって四国大会直前にメンバーに入れてもらった」岡本は見事期待に応えて低めのストレートをすくい上げて左翼への同点犠飛をマーク。なおも一死満塁から相手の失策で勝ち越す呼び水を作った。

 そして5回表からはエースがマウンドへ。「(左翼手スタメンからのマウンドで)準備不足の中でも入りからストレートがよかった」森木 大智(3年・右投右打・184センチ87キロ・高知中出身)が最速150キロを6回出しつつ5回を15人・1安打6奪三振に仕留めるほぼ完ぺきな内容で試合を締めてみせ、高知鳴門との接戦を制したのであった。

 この春季四国大会では勝利を前提にしつつ、1回戦・準決勝の連戦を「夏の高知大会準決勝・決勝戦と仮定して」(濵口監督)回ごとに一塁コーチャーと三塁コーチャーを入れ替えるなど、様々なアプローチで最善の策を探っている高知。森木に代表させる「計算できる選手」に加え、岡本のようなバイプレーヤーの出現する過程は、そのまま「打倒・明徳義塾」への道につながっていく。

(取材=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.12

学法石川の好捕手・大栄利哉が交流戦で復帰! 実力は攻守ともに世代トップクラス!身長200センチ右腕を攻略し、完封勝利!

2024.05.12

【春季新潟県大会】プロ注目右腕・茨木佑太が完封!元プロの芝草監督は素材、メンタル面も絶賛!

2024.05.12

【春季京都大会】センバツベンチ外の西村がサヨナラ打!新戦力の台頭目立つ京都外大西が4強進出

2024.05.12

プロ注目の200cm右腕・菊地ハルン(千葉学芸)がセンバツ出場校との交流戦でまさかの7失点…夏までの課題は?

2024.05.12

【奈良】天理が決勝最多18得点で圧勝!13年ぶりに春の頂点に<春季大会>

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在28地区が決定、長野では松商学園がノーシードに

2024.05.07

【鹿児島】神村学園は昨秋4強の鶴丸と初戦で対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.07

【山陰】益田東と米子松蔭、鳥取城北が石見智翠館と対戦<春季大会組み合わせ>

2024.05.07

【北海道】函館大有斗、武修館などが初戦を突破<春季全道大会支部予選>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>