高卒、大卒が占める楽天の歴代開幕投手たち
3月26日の開幕戦まであとわずかに迫った。すでに各球団の監督は開幕投手を発表しており、その指名されたエース格の投手たちは大一番に向けて準備を進めている。
現在、発表されている12名の顔ぶれを見ると高卒出身が6名、大卒出身が6名となっており社会人出身はひとりもいない。開幕投手はローテーションや相性、故障の影響などもあるとはいえ、多くの場合、球団の顔とも呼べる投手が登板する。
社会人出身の投手は少ないのか、それともたまたまなのか。開幕投手たちの経歴を楽天が新規参入した2005年以降で球団ごとに調べてみた。
楽天は昨シーズンの最多勝投手である涌井秀章(横浜高)が、現役最多となる自身10度目の開幕投手を務める。涌井は西武、ロッテでも開幕投手を務めており、パ・リーグで3球団目の大役だが、パ・リーグのみの3球団では史上初の快挙となる。
8年ぶりの楽天復帰となった田中将大(駒大苫小牧高)は、意外にも楽天時代に開幕投手の経験は少なく2012年の1度だけしかない。この試合で田中は6回5失点と打ち込まれ敗戦投手となった。これが楽天にとって唯一の生え抜き高卒選手による開幕投手となっている。
生え抜きの大卒選手では、則本昂大(八幡商→三重中京大)が4年連続を含む6度の大役を務めており、一場靖弘(桐生一高→明治大)も2006年に開幕投手を任された。社会人出身では、現在はロッテに所属する美馬学(藤代高→中央大→東京ガス)が2017年に開幕投手となっている。
生え抜き以外では涌井以外に岸孝之(名取北高→東北学院大)と岩隈久志(堀越高)がそれぞれ開幕戦のマウンドに立った。岩隈は楽天の初代開幕投手でもある。一方で球団創設以来、外国人投手の開幕投手はひとりもいない。歴史の浅い球団ではあるが、球団創設初期から開幕投手を任せることができるエース格の投手は在籍していた。
今年の開幕投手となった涌井は、オープン戦最後の登板となった3月19日のヤクルト戦で4回途中8失点と打ち込まれた。不安の残る内容だったが、3球団目の開幕投手で白星を挙げることができるだろうか。
<楽天の開幕投手>
※2021年は予定
※2005年以降
2021年:涌井秀章(横浜高)※ロッテから移籍
2020年:則本昂大(八幡商→三重中京大)
2019年:岸孝之(名取北高→東北学院大)※西武から移籍
2018年:則本昂大(八幡商→三重中京大)
2017年:美馬学(藤代高→中央大→東京ガス)
2016年:則本昂大(八幡商→三重中京大)
2015年:則本昂大(八幡商→三重中京大)
2014年:則本昂大(八幡商→三重中京大)
2013年:則本昂大(八幡商→三重中京大)
2012年:田中将大(駒大苫小牧高)
2011年:岩隈久志(堀越高)※オリックスから移籍
2010年:岩隈久志(堀越高)※オリックスから移籍
2009年:岩隈久志(堀越高)※オリックスから移籍
2008年:岩隈久志(堀越高)※オリックスから移籍
2007年:岩隈久志(堀越高)※オリックスから移籍
2006年:一場靖弘(桐生一高→明治大)
2005年:岩隈久志(堀越高)※オリックスから移籍
(記事=勝田聡)