佐藤輝明のオープン戦4本塁打はすべて逆方向!大学時代に語った逆方向が多くなる要因
阪神ドラ1・佐藤輝明の勢いが止まらない。14日の巨人戦ではポールをまくレフトへの本塁打を放った。
これでオープン戦の4本塁打はすべてレフトから左中間だ。
3月5日 ソフトバンク戦 左翼席
3月10日 広島戦 左中間
3月12日 埼玉西武戦 左翼席
3月14日 巨人戦 左翼席ポール際
キャンプではライトやセンターへ豪快な本塁打を見せてくれたが、レフト方向にも本塁打は打てるのは大きな強みだろう。佐藤は逆方向はほとんど狙っていないという。さらに佐藤の打撃フォームの特徴的なのは、右わきを締めない打撃フォームだが、これはしっかりと狙いがあるという。
大学3年時、高校野球ドットコムのインタビューで答えてくれたインタビューを再掲したい。
――「あえて」右わきを締めないようにしている。
佐藤 そうなんです。わきを締めると自分の場合はどうしてもゴロになりやすくなる。バットスイングの軌道をレベルからアッパーに出し、投球を線でとらえるためには「あえて締めない」という意識のほうが自分の場合はうまくいくんです。
――前のわきを締めないことで懐が広くなり、内角のさばきが楽になる感覚が生まれたりしますか?
佐藤 はい。内角のさばきは楽になりました。ライト線へのいい当たりが切れにくくなりましたしね。バットを以前よりもしっかり体の内側から出せるようなったので、バットを折る回数も激減しましたし、スイングがよくなったことで打つポイントも捕手寄りにすることが可能になり、三振が減り、フォアボールが増えました。1年生の時の打率2割台から3シーズン連続で3割をマーク出来た要因でもあったと思います。
――ゴロを打たない意識が呼び込んだ進化ですよね。面白い…。
佐藤 大学2年くらいから逆方向にホームランが打てるようになったのも、内側からバットがしっかり出るようになり、打ち方がよくなったからだと思っています。それまではホームランの大半はセンターからライト方向でしたから。
――左中間スタンドにも叩きこめるのが佐藤選手の大きな特長ですが、そういう時は逆方向を狙って打っているのでしょうか?
佐藤 いえ。方向はほとんど意識してないです。逆方向にホームランが打てた時もたまたまそっちへ飛んで行って入ったという感覚ですね。
――カウントを追い込まれるまでは、相手バッテリーの配球を読み、大胆にヤマを張ったりするタイプですか?
佐藤 ぼくは全くヤマは張らないです。ヤマを張った際に狙っていないボールが甘いコースにきて、対応できずに見逃さざるをえない状況になった時がすごく嫌なんです。もっとレベルが上がれば、今のやり方は通用しないのかも、と思うことはありますが、今は全ての球を打ちに行き、タイミングが合って打てそうなだと感じたらスイングを仕掛け、そうでなければ見逃す、というスタイルでやっていきたいと思っています。
大学時代から打撃について深く探求しているのがうかがえる。佐藤は多くの選手の打撃フォームを研究するために動画を見ながら、NPBの投手のレベルの高さを感じ取り、どうすれば対応できるか考えていた。
考えたからといって対応ができるわけではないが、これからも佐藤なりに突き進む様子を見ると、今後の打席が楽しみでならない。
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