花咲徳栄、習志野、山梨学院ら雪辱誓う各地の強豪校たち
昨秋県大会準々決勝で細田学園に敗れた花咲徳栄
1月29日に今春の選抜に出場する32校が発表されることとなっており、多くの注目が集まっているが、ほとんどの学校は今春の地方大会に向けてトレーニングに励んでいる。そのなかには全国区の強豪校も含まれている。
今回は、昨秋は惜しくも早期敗退となったが、今春の巻き返しに期待がかかる各地方の強豪校を改めて確認したい。まずは関東地区を振り返りたい。
鹿島学園が優勝した茨城をみると、2018年の選抜を経験した明秀日立がライバル・藤代の前に2回戦で敗退。そして同年の夏の甲子園に出場した土浦日大が1回戦敗退しているのが目立つ。ただ、明秀日立には金沢 成奉監督、土浦日大には小菅 勲監督と実績のある指揮官がチームを率いており、春以降に躍進する可能性は十分にあるだろう。
栃木では佐野日大、白鴎大足利がともに準々決勝。2018年秋に県大会準優勝の文星芸大附は3回戦と県内のライバルたちにあと一歩届かなかった。群馬の前橋育英、樹徳も同様にベスト8まで勝ち進みながらも、優勝には手が届かなかった。しかし前橋育英には菊地 樂、樹徳には佐藤 圭隼や津田 竜聖など力のある選手がいる。悔しさを胸に春以降に雪辱を晴らすか注目だ。
関東地区で最も大きな波乱だったともいえる埼玉県。夏の王者・狭山ヶ丘が西部地区予選で敗れる波乱から幕を開けると、浦和学院、浦和実がともに3回戦敗退。さらに花咲徳栄が準々決勝で姿を消すという大会になった。
だがしかし、狭山ヶ丘は平澤 智太郎監督のもとで厳しい練習をこなし、浦和学院はエース・三奈木 亜星らタレントが揃い、花咲徳栄は冨田 隼吾など強力打線が磨きをかけている。春、そして夏に向けて目が離せないチームであることは間違いない。
千葉も同様で、習志野が地区予選で敗退してしまうと、中央学院と東海大市原望洋も県大会の早い段階で姿を消してしまった。毎年、千葉を代表する強豪校だけに意地とプライドにかけて春以降は上位進出を狙うはず。「戦国千葉」は2021年も健在となることが考えられる。
神奈川を見ると、ベスト8で桐光学園、3回戦で日大藤沢と慶應義塾が敗退。横浜隼人は1回戦で敗れるという結果になっている。また山梨でも山梨学院と駿台甲府が準々決勝敗退と、あと一歩が届かなかった。
そして東京は都立の名門・都立城東が都立日野との好カードで敗れ、春は再び予選からスタート。また都大会では2019年の西東京代表・国学院久我山が1回戦で、17対18で城北に敗戦。昨夏の東東京王者・帝京は同地区の実力校・都立小山台に0対10のコールドで敗戦という波乱もあった。
他にも創価、佼成学園といった西東京の強豪が3回戦で敗れたが、関東地区ではいくつか波乱が起きた秋だった。この中からどれだけのチームが春に再び存在感を示すのか。選抜だけではなく、地方大会からも目が離せない。
(文:田中 裕毅)