ヤクルト・濱田太貴(明豊出身)は高卒生え抜き外野手として大成なるか
高校時代の濱田太貴(明豊出身)
2年連続で最下位となったヤクルトが、このオフシーズンに積極的に補強を行っている。すでに3人に新外国人選手(野手2人、投手1人)を補強し、ソフトバンクを退団した内川 聖一も獲得した。その他にも宮台 康平(前日本ハム)、育成契約で近藤 弘樹(前楽天)と小澤 怜史(前ソフトバンク)を迎え入れている。
そのなかでもっとも注目されているといえるのが、ドミンゴ・サンタナだろう。サンタナは2017年に30本塁打を放つなど、MLB通算77本塁打を記録している外野手。まだ28歳と若く主軸としての働きに期待がかかっている。現時点のチーム構成を見ると右翼を守ることが濃厚だ。
近年、ヤクルトの右翼は雄平の定位置だった。しかし今シーズンの雄平は不振を極め、43試合(スタメン26試合)の出場にとどまり打率.223(103打数23安打)、0本塁打と苦しんだ。0本塁打に終わったのは、2012年以来8年ぶりだった。来シーズンは37歳になることもあり、外国人選手をレギュラーとして考えるのは無理もない。
とはいえ、将来的に右翼を主戦場としそうな若手はしっかりと育ちつつある。高卒2年目のシーズンを終えた濱田 太貴である。濱田は2018年ドラフト4位で明豊高から入団した外野手。今シーズンは33試合(スタメン22試合)に出場し、打率.200(100打数20安打)、3本塁打の成績を残した。外野の守備はまだまだ粗く不安定なものの、打撃面での成長は目覚ましい。
22試合のスタメン出場は同じ外野手の中山 翔太(12試合)、ポジションこそ違うが右の長距離砲候補・廣岡 大志(19試合)よりも多い。高津 臣吾監督をはじめ、首脳陣からも期待をかけられていることがよくわかる。
近年におけるヤクルトの生え抜き高卒野手をみると、村上 宗隆や山田 哲人、その前には川端 慎吾や畠山和洋(現コーチ)など内野手ではタイトルホルダーを多数輩出している。一方、外野手で2010年代に規定打席に到達したのは雄平だけしかいない。今シーズン限りで現役を引退した上田剛史も規定打席に到達したことは一度もなかった。
濱田は生え抜きの高卒外野手として、雄平に続いての規定打席到達はなるだろうか。来シーズン以降の活躍に期待がかかる。
<プロフィール>
濱田 太貴(明豊高→2018年ヤクルト4位)
[2020年]33試合 打率.200(100打数20安打) 3本塁打 7打点
(記事:勝田 聡)