覚醒の兆しを見せる西武・髙橋光成。歴代の高卒生え抜きのエースに続けるか?
西武・髙橋光成投手(前橋育英出身)
今秋のドラフトへ向けた高校生合同練習会が東日本、西日本それぞれの会場で行われた。
甲子園が中止となったことでアピールの場を失ってしまった選手たちが、プロ野球団のスカウト陣を前に思う存分プレーしたようだ。
そのなかで山下舜平大(福岡大大濠)や内星龍(履正社)に豆田泰志(浦和実)ら投手陣に注目が集まっていた。各球団ともにチームの屋台骨を支えてくれるような先発投手を高卒で獲得することができたら、数年はやりくりが楽になる。
さて、現時点では各球団、生え抜き高卒の先発ローテーション投手は、どれだけ存在しているのだろうか。各球団の今シーズンにおける登板数上位5名を振り返ってみたい。
パ・リーグ3連覇を目指す西武は、9月13日終了時点で5位とここまで苦しんでいる。なかでも先発投手の防御率4.88は12球団ワースト。先発ローテーション投手が結果を残せていないのが実情だ。
先発登板数の上位はニール、松本航(日体大)、髙橋光成(前橋育英高)とつづく。ニールは昨シーズンから継続していた連勝記録が13で止まり、その後は試合を作れないことも多かった。
しかし、8月21日のオリックス戦で8回途中3失点と敗戦投手になりながらも先発の役割を果たすと、そこからは持ち直している。一時は5点台を超えていた防御率も徐々に下がってきた。
2018年ドラフト1位の松本は8月に入ってから見違えった。7月29日の時点では防御率6.53だったが、その後は6試合の登板ですべて5回以上を投げ2失点以下でまとめている。防御率も3.82と大きく良化した。
そして髙橋光は9月1日のロッテ戦で7回無失点被安打1、9月8日のオリックス戦で被安打1の完封勝利とここにきて覚醒した感がある。甲子園優勝投手からドラフト1位でプロ入りし今年が6年目。このまま先発ローテーションの中心的存在になりたいところだ。
この3人に與座海斗(岐阜経済大)と本田圭佑(東北学院大)の2人が続いている。與座は今シーズンプロ初勝利を挙げたものの、現在は二軍で調整中。その二軍でも4試合の登板(24回)で防御率7.88と打ち込まれており苦しんでいる。
その他では今井達也(作新学院高)が開幕時は先発ローテーションに名を連ねていたものの6度の先発機会で結果を残せず、中継ぎに配置転換され現在は登録を抹消されている。
二軍では再び長いイニングを投げており、先発としての一軍復帰を目指すことになりそうだ。
先発投手陣の台所事情が苦しいチームとしては、松本、髙橋光につづく日本人先発投手として今井がひとり立ちすることを望んでいるだろうそして髙橋光や今井が松坂大輔(横浜高)や涌井秀章(横浜高/現楽天)、菊池雄星(花巻東高/現マリナーズ)のような高卒生え抜きのエースへと成長することに期待したい。
【先発登板数上位】
1位(13)ニール
2位(12)松本航(日体大)
3位(11)髙橋光成(前橋育英高)
4位(8)與座海斗(岐阜経済大)
5位(7)本田圭佑(東北学院大)
※数字は2020年9月13日終了時点
(記事:勝田聡)