試合レポート

東海大菅生vs都立小川

2020.09.19

東海大菅生、千田が先頭打者本塁打!21点、5回コールド発進

東海大菅生vs都立小川 | 高校野球ドットコム
先頭打者本塁打を放った東海大菅生・千田光一郎

 西東京大会に続き、帝京との東西決戦も制し、負けなしで夏を終えた東海大菅生が、新チームになって、最初の公式戦を迎えた。この夏も活躍した1番・千田光一郎、4番・堀町沖永が打撃の中であることに変わりはない。この日のメンバーで目立ったのは3人の1年生。亜細亜大に進んだ小山翔暉の弟・凌暉が捕手になり、この夏、捕手に二塁手に野球センスの良さをみせた福原聖矢が二塁手に。そして5番・三塁手には小池祐吏が入った。1年生ながら5番に抜擢した小池は、「勝負強いです」と若林弘泰監督は語る。

 捕手としては、「肩の強さで小山、リードのうまさで福原」というのが、若林監督の評価。小山は兄に比べて体は小さいが、肩は兄同様に強い。ただ持っている雰囲気から、「翔暉より、全体的に小さいけれども、結果は凌暉の方が出すと思います」と若林監督は期待する。福原が捕手の時は、小山が二塁手になるという。それでも、二塁手としてのグラブさばきは福原がうまいだけに、小山のリードが向上すれば、捕手・小山、二塁手・福原というのが、理想的なのだろう。

 もっともこの試合、1回表、都立小川の1番・正田啓雅の二ゴロを、二塁手の福原がいきなりエラーする。それでも東海大菅生の先発・加藤琉真が落ち着いて後続を抑えた。

その裏、東海大菅生は1番・千田が2球目を叩くと、打球は右中間の柵越えの本塁打となった「初球からいくつもりでした。少しこすりましたが、振り切りました」と千田は言う。千田はクリーンアップも打てる力はあるが、「(相手投手の)情報がない分、自分のスイングができます」という理由で、1番打者が気に入っている。

 東海大菅生打線は公式戦の初戦で、いきなり飛び出した先頭打者本塁打で完全に火が付いた。初回だけで本塁打を含め安打5本に四球2で6点を挙げた。

 2回の攻撃では、4番・堀町の打撃が光る。一死三塁から、堀町の速い打球は、都立小川の遊撃手のグラブをかすめ、そのまま外野を転がって三塁打になった。堀町のスイングスピードは153キロ。これは夏までの4番打者・杉崎成をもしのぐというから、その打球スピードは驚異的だ。「広角に打つことを心掛けています」という堀町は、この試合では、右方向の打球はなかったが、レフトにセンターにと飛ばし、あと本塁打が出ればサイクルという3安打を記録した。5番に入った小池は、この試合、3四球に犠飛1で打数を記録しなかった。

 都立小川は3回には、この回先頭の1番・正田は二塁打を放ったが、打った安打は、6番・横倉の右前安打を合わせ2本だけ。加藤、野村宏太豊岡遥翔とつないだ東海大菅生投手陣に抑えられた。

 東海大菅生3番手の豊岡は、荒れ球で若林監督の現段階での評価は高くないが、球威はこの試合で投げた3人の中で一番あった。まだ1年生。これからの成長を期待したい投手だ。

 東海大菅生は4回が終わった時点で21対0と圧倒的なリード。5回表の都立小川を0点に抑えて、5回コールドが成立した。

 この試合東海大菅生で、千田、堀町らの長打力とともに目立ったのが、走塁だ。どの選手も、前の塁が空いていれば、積極的に盗塁を仕掛けた。この試合では投げていない本田峻也らのいる投手陣も充実しており、この秋も、東海大菅生が優勝候補であることは、間違いない。

 一方敗れた都立小川であるが、力の差は歴然としているものの、東海大菅生の速い打球を体で止めに行くなど、戦う姿勢は十分にみせた。また3回途中から登板した背番号1の森亮馬は、キレのある球を投げていた。いきなり強豪と対戦できたことを前向きに捉えて、今後の成長につなげてほしい。

(記事=大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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