鈴木大地に涌井秀章。楽天を引っ張る神奈川県の高校出身者たち
横浜高時代の涌井秀章(楽天)
昨シーズンの3位からさらに上を狙う楽天が好調だ。開幕から首位争いを演じており、8月15日終了時点で2位。首位のソフトバンクと0.5ゲーム差となっており、2013年以来のリーグ優勝、日本一も狙える位置にいる。
もちろんその立役者は複数いるが、野手陣ではFAで加入した鈴木大地の存在が大きい。開幕当初は苦しんだものの、当たりだすと止まらない。ほとんどの試合で「2番・三塁」を任され、ここまでの打率.328と首位打者争いに顔を出すほどだ。
一方の投手では涌井秀章だろう。昨シーズンオフに金銭トレードでロッテから加入した涌井は、ここまで無傷の7連勝中。防御率2.38もリーグトップとなっており、ここ数年の不振を吹き飛ばす勢いだ。
ロッテから新加入のふたりが期待通りの活躍を見せ、これまでの好結果を生み出している。そんな鈴木は桐蔭学園、涌井は横浜高と、ともに神奈川県の高校出身である。調べてみると、今シーズンの楽天は神奈川県の高校出身者が勢いづいている。
野手では鈴木と同じ桐蔭学園出身の茂木栄五郎がおおあたり。1番、3番といった上位打線を任され、打率.341と鈴木の上を行く成績を残している。涌井の後輩に当たる渡邊佳明も開幕こそ二軍スタートだったものの、8月に入ってから一軍に昇格。出番はまだ多くないものの、昇格初日に適時二塁打を放ち強烈なアピールを行った。
下水流昂は打率こそ低いものの、7月後半から一軍に帯同を続けており、サブメンバーとして重宝されているようだ。
投手陣では慶應義塾高出身のルーキー津留崎大成が中継ぎとして戦力になっている。ここ2試合連続で打ち込まれたものの、8月9日までは12試合の登板で防御率1点台をキープしていた。
一方で大きく苦しんでいるのが桐光学園出身の松井裕樹と横浜高出身の藤平尚真である。今シーズンから先発への再転向を目指す松井だが、ここまでは結果が出ていない。4試合の先発で0勝1敗、防御率5.94では戦力になっているとは言い難い。今後の起用法が注目されている。
藤平は初先発となた7月26日のオリックス戦で打者2人目に危険球退場。それ以降は一軍での登板機会は巡ってきていない。次代を担う存在として期待されていたが、今シーズンすでに4年目。そろそろ結果がほしいところだろう。また、大卒2年目となる向上高校出身の鈴木翔天は現時点で一軍登板の機会はない。
このように楽天は東北、宮城県のチームながら神奈川県の高校出身者が9人も在籍しているのである。今シーズンこれからも、神奈川県の高校出身者たちがチームを引っ張っていくのだろうか。
【楽天・神奈川県の高校出身の選手】
<横浜>
涌井秀章
下水流昂
藤平尚真
渡邊佳明
※数字は2020年8月15日終了時点