育成から支配下、そして1軍の舞台へ。急成長を遂げる注目株・長谷川宙輝(聖徳学園出身)の魅力
高校時代の長谷川宙輝
6月19日に開幕したプロ野球。開幕をしてまもなく1か月が経過し、各チームの戦力が見えつつある。またブレークを予感させる若手選手も台頭し始めた。
東京ヤクルトスワローズの長谷川宙輝(聖徳学園出身)はその中の1人だろう。2016年のドラフトで育成2位指名で福岡ソフトバンクホークスに入団。2019年シーズンは2軍での登板もあったが、1軍で登板することなくスワローズに移籍した。
支配下選手として獲得されると、キャンプからアピールを続けて開幕1軍入り。開幕戦となる中日ドラゴンズ戦でも登板するなど、リリーフを中心にここまで6試合投げて防御率5.40、被安打7、奪三振6、自責点3の成績を残している。25日の阪神タイガース戦では初勝利も手に入れるなど、飛躍のキッカケを掴みつつある。
奪三振率は10.80という驚異的な数字が残っているが、それを支える長谷川の武器はストレート。小さなテイクバックで出所の見にくいフォームから150キロ超を計測。さらにストレートと同じ軌道から沈むチェンジアップに縦に大きく変化するスラ―ブで打者を翻弄。特にチェンジアップは緩急をつけながら沈むが、ストレートと軌道が近い分、バッターは手を出さざるを得ない。
そんな長谷川でも高校入学時は120キロそこそこで、体重も50キロとまだ線が細かった。しかし聖徳学園の中里 英亮監督との二人三脚で地道にレベルアップを重ねてきた。すると3年生になってストレートは140キロを超えるようになり、都内屈指の注目左腕までのし上がった。
ホークスでは育成で入団したが、支配下を勝ち取れず2019年のオフにヤクルトへ移籍。そこで遂に支配下を勝ち取り、遂に1軍の舞台に上がった。コツコツと練習を重ねてきたモノが、新天地・ヤクルトで花開こうとしている。育成から支配下に上がった若き左腕がどんな結果を残すのか、今後のピッチングに注目したい。
(記事=田中 裕毅)
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