栗原、清水、塹江ら今季飛躍を遂げそうな1996年生まれ世代
大学時代の清水昇(ヤクルト)
7月22日に行われた西武対ロッテの試合で、2013年の甲子園優勝投手同士の投げ合いが行われた。
この年の春の甲子園で優勝投手となった小島和哉(浦和学院高→早稲田大→ロッテ3位)と、同じく夏の甲子園の優勝投手である高橋光成(前橋育英高→西武1位)が先発として登板したのである。
試合は小島が西武打線を7回途中1失点と封じ込め、今シーズン2勝目をマーク。一方の高橋光は7回2失点と好投するも打線の援護なく敗れている。
さて、このふたりと同学年となる1996年生まれ世代(1996年4月2日〜1997年4月1日生まれ)は、高橋光と同じく高卒でプロ入りした選手は今年が6年目、小島のように大学を経由した選手は2年目となる。岡本和真(智弁学園高→巨人1位)のようにすでに立派な戦力となっている存在もいるが、今シーズン飛躍を遂げつつある選手も存在する。
投手では清水昇(帝京高→國學院大→ヤクルト1位)がそうだ。清水はルーキーイヤーとなった昨シーズン、11試合に登板し0勝3敗、防御率7.27とプロの洗礼を浴びた。しかし今シーズンは中継ぎとして開幕一軍入りを果たすと、11試合連続無失点と好投。マクガフの不調もあり勝ちパターンに名を連ね、ヤクルトの中継ぎに欠かせない存在となっている。
鈴木優(雪谷高→オリックス9位)も7月1日にプロ初勝利をマークすると、そのまま先発ローテーションに定着している。打ち込まれる試合も多いが、登録抹消されることなくローテーションを守っており、まだまだ成長が期待される存在だ。
中継ぎでは塹江敦哉(高松北高→広島3位)が、結果を残している。昨シーズンまでは一軍で通算14試合の登板で防御率7.33と結果を残せていなかった。しかし今シーズンは開幕一軍を掴み、ここまで12試合に登板。6ホールドとブルペンに定着している。
野手陣では栗原陵矢(春江工→ソフトバンク2位)が、捕手登録ながら一塁や外野での出場を続けている。
その他には太田光(広陵高→大商大→楽天2位)も正捕手に定着した。昨シーズンは打率.219(96打数21安打)と打撃面で苦しみ、今シーズンも打率は.250(72打数18安打)とやや上向いたした程度だが、OPSは昨シーズンの.550と比べると大きく良化。このまま成績を向上させたいところ。
このように今シーズン飛躍を遂げそうな1996年生まれ世代は多い。高卒6年目、大卒2年目の彼らがどのような活躍を見せてくれるか楽しみだ。
※数字は2020年7月26日終了時点
(記事=勝田 聡)
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