Interview

中学通算23本塁打のスラッガー・松本ジョセフ(戸塚シニア)。規格外の長打力を生んだ打撃研究

2020.05.25

 関東地区のリトルシニアで長距離砲として活躍を見せているのが、戸塚シニアの松本ジョセフ選手だ。アメリカ人の父を持つ松本選手は、身長178センチ、体重100キロの中学生離れした体格から、ここまで中学通算23本塁打を放っており注目を集めている。

 「プロに行くことしか考えていない」と力強く語る松本選手に、これまでの成長や高校野球での目標を伺った。

課題だった守備力の向上を目指して戸塚シニアに入団

中学通算23本塁打のスラッガー・松本ジョセフ(戸塚シニア)。規格外の長打力を生んだ打撃研究 | 高校野球ドットコム
2019年ベイスターズカップでの松本ジョセフ選手(戸塚シニア)

 親戚や友人の影響から、幼い頃から野球に興味を持っていたと話す松本選手。
 小学校3年生の時に、少年野球チームの清水ヶ丘ジャイアンツに入団して、本格的に野球を学ぶことになった。

 力強いバッティングが持ち味の松本選手であるが、自信を持ち始めたのは小学校4年生頃からと振り返る。人生で初めて本塁打を放った時に、ボールを飛ばす感覚を掴むことができたと明かし、以来その感覚をずっと大切にしてきた。

 小学校時代に放った本塁打は何と通算で70本。
 横浜市南区の選抜チームのメンバーに選ばれるなど、大きな活躍を見せていた。

 「うまく言葉では表現できないのですが、これでもホームランが打てるのかと思うような感覚でした。その感覚を忘れないように、素振りやバッティングセンターでも練習して、ホームランの数も増えていきました」

中学通算23本塁打のスラッガー・松本ジョセフ(戸塚シニア)。規格外の長打力を生んだ打撃研究 | 高校野球ドットコム
松本ジョセフ選手(戸塚シニア)

 小学校を卒業後、松本選手はリトルシニアの強豪・戸塚シニアへの入団を決める。
 打撃には自信を持っていた一方で、守備力に課題意識を持っていた松本選手は、守備の基本を重視するチーム方針に惹かれて戸塚シニアを選んだ。

 チームのレベルは高く、練習も非常にハードであったが、疲れている時でも「あと一本」を意識して練習に取り組み、守備力は日々上達していった。

 「入団した時はこれでは高校野球でやっていけない思い、基本的なことから教えていただきました。もう限界だと思うまで練習に打ち込んで、少しづつ上達していったのだと思います」

 持ち味のバッティングに加えて、守備力も向上した松本選手は、1年生の秋からはレギュラーを獲得して「4番・三塁」を任される。下級生ながら主砲として打線を引っ張り、活躍を見せた。

[page_break:メジャーリーガーの動画を見て打撃を研究]

メジャーリーガーの動画を見て打撃を研究

中学通算23本塁打のスラッガー・松本ジョセフ(戸塚シニア)。規格外の長打力を生んだ打撃研究 | 高校野球ドットコム
松本ジョセフ選手(戸塚シニア)

 来年からは高校野球がスタートするが、松本選手は幼い頃からの夢であるプロ野球選手になるために、「これから過ごし方がとても大事」と気持ちを引き締める。
 自身の強みであるバッティングに関しても、高校レベルでみるとまだまだ実力不足であると感じており、さらなるレベルアップを目指す。

 「バッティングでは、今は変化球への対応を課題にして取り組んでいます。
 変化球はボールを引き付けることが大事で、遅いボールを打つ練習をしています。遅いボールをしっかり引き付けてライト方向に打つ形を、変化球でも同じように打てるようにしたいと思っています」

 また、自宅でもYoutubeなどでトップ選手の打撃フォームを毎日見るなど、研究にも余念がない。高校野球やプロ野球選手の動画も見るが、それ以上にメジャーリーグの選手の動画を見ることが多いと明かし、自身の打撃にもより力強さと対応力を求めていきたいと語る。

中学通算23本塁打のスラッガー・松本ジョセフ(戸塚シニア)。規格外の長打力を生んだ打撃研究 | 高校野球ドットコム
松本ジョセフ選手(戸塚シニア)

 「参考にする選手はメジャーリーガーばかりです。やっぱり体の大きな選手がプレーする姿はかっこいいなと思います。
 特に好きな選手はニューヨーク・ヤンキースでキャプテンをしていたデレク・ジーターさんや、トロント・ブルージェイズのギャバン・ビジオ選手、ロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウト選手で、パワフルなスイングに刺激を受けました。
 これからもっと身体を作り、パワーも技術も少しでも近づける様にトレーニングをしていきたいと思います」

 現在はチームのキャプテンも務めており、プレー以外の大切な事も日々指導してもらっていると話す松本選手。
 戸塚シニアは、過去には荒波翔氏(元横浜DeNaベイスターズ・横浜高出身)や渡辺勝選手(中日ドラゴンズ・東海大相模出身)、スラッガータイプでも森下翔太選手(中央大・東海大相模出身)や豊田寛選手(日立製作所・東海大相模出身)などを輩出しており、活躍するOBは多い。

 偉大な先輩たちにも負けない潜在能力を持っているだけに、松本選手も続くことができるか注目だ。

(取材=栗崎 祐太朗

関連記事
セカンド送球は1.9秒台。スワローズジュニアにも選ばれた本田凌太(浦和シニア)が目指すのは「打てる捕手」
九州に現れた最速138キロの本格派右腕・武内涼太(久留米東ボーイズ)伸びしろは無限大
最速138キロのみちのくの剛腕 近藤悠人(宮城仙北ボーイズ)の持ち味は「強気に攻めるピッチング」

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

もっと見る

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.14

【春季東京都大会総括】日大三、二松学舎大附など強豪校がノーシードの波乱! 新基準バットでも9本塁打の帝京が驚異の打力で王者に

2024.05.14

【2024夏全国ノーシード校一覧】二松学舎大附、履正社、智辯学園、沖縄尚学などビッグネームがノーシードで夏に挑む

2024.05.14

広島「今季新戦力の現状通信簿」、新外国人の復活はなるか!?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?