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早ければ今オフに2人がメジャー挑戦!?山田哲人(履正社出身)、有原航平(広陵出身)ら92年世代ドラ1の現在地

2020.04.29

 野球の世界には「松坂世代」を始め、有力選手が集まった世代を「〇〇世代」と形容する流れがある。毎年12名のドラフト1位が生まれるので、平均すれば各世代に12名のドラ1がいることになるのだが、多い世代、少ない世代というのが出てくる。そこで世代別にドラフト1位を集計し、その現在地を見ていきたい。今回は節目の高卒10年目、28歳を迎える92年世代だ。

有原航平、山崎康晃は今オフメジャー移籍か?

早ければ今オフに2人がメジャー挑戦!?山田哲人(履正社出身)、有原航平(広陵出身)ら92年世代ドラ1の現在地 | 高校野球ドットコム
高校時代の有原航平(左)、山崎康晃(右)

 92年世代でドラフト1位指名を受けたのは、高卒3人、高卒社会人1人、大卒5人の計9人。彼らの主な通算成績は以下の通り。

<2010年ドラフト>
山下斐紹習志野・福岡ソフトバンク・東北楽天) 外れ1位
111試合 5本塁打 15打点 打率.206

山田哲人履正社・東京ヤクルト) 外れ外れ1位・2球団競合
964試合 202本塁打 583打点 168盗塁 打率.297

後藤駿太前橋商・オリックス) 外れ外れ外れ1位
799試合 14本塁打 打点136 30盗塁 打率.225

<2013年ドラフト>
柿田裕太松本工業・日本生命・横浜DeNA) 外れ1位・3球団競合
一軍公式戦出場なし

<2014年ドラフト>
有原航平(広島広陵・早稲田大・北海道日本ハム) 4球団競合
109試合 52勝41敗2セーブ 703.1回 520奪三振 防御率3.79

山崎福也日大三・明治大・オリックス) 単独指名
92試合 10勝17敗 235.2回 139奪三振 防御率4.28

中村奨吾天理・早稲田大・千葉ロッテ) 単独指名
590試合 45本塁打 194打点 70盗塁 打率.249

山崎康晃帝京・亜細亜大・横浜DeNA) 外れ1位・2球団競合
303試合 13勝17敗163セーブ 296回 328奪三振 防御率2.34

野間峻祥(村野工業・中部学院大・広島東洋) 外れ1位
495試合 8本塁打 75打点 50盗塁 打率.259

 高卒の3人は珍しく全員野手だ。なかでも山田哲人の実績がずば抜けている。4年目に最多安打に輝くと、これまでに3度のトリプルスリーを達成。通算安打数も1068本と、圧倒的だ。後藤駿太は1年目から出場機会を掴んでいるが、レギュラー定着はできずに来ている。節目の年に自身初の規定打席到達はなるか。ソフトバンクでは出場機会に恵まれなかった山下斐紹だが、2018年から楽天に移籍し出番が増えた。捕手というポジションの特性上、これからが勝負でもある。嶋基宏が移籍した今季、チャンスを掴みたい。

 唯一の高卒社会人である柿田裕太は、1年目にフレッシュオールスターに出場するなど将来を期待されたが、一軍公式戦への登板がないまま4年目のオフに戦力外通告を受けた。

 大卒の5人はこれまで、全員がある程度の実績を残している。世代最多、4球団競合の末プロ入りした有原航平は、1年目に新人王、5年目には最多勝と着実にステップアップ。今オフにもメジャー挑戦を視野に入れている。有原同様、新人王を獲得した山崎康晃は、今や侍ジャパンのクローザーへと成長した。こちらも将来的なメジャー挑戦の意思を球団に伝えている。

 早稲田大で有原と同期の中村奨吾は、1年目から100試合以上に出場するなど、コンスタントに試合に出続けてきた。昨季はキャリアハイとなる17本塁打を放つなど、今季の飛躍が期待される。山崎福也は昨季、中継として34試合に登板し、リリーフ陣の一角を担った。今季はキャリアハイの成績を残し、不動の地位を築きたい。野間峻祥は1年目から代走・守備固めでの出場が多かったが、ここ2年はスタメン出場も増えてきた。2年ぶりの優勝は、野間の成長にかかるところも大きいだろう。

記事:林龍也

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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