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宮川哲(東海大山形出身)ら上位2人は社会人の投手! 西武のドラフトは即戦力候補が中心

2020.04.13

宮川哲(東海大山形出身)ら上位2人は社会人の投手! 西武のドラフトは即戦力候補が中心 | 高校野球ドットコム
即戦力として期待されるドラフト1位・宮川哲

 パ・リーグ3連覇を目指す西武は、昨年のドラフト会議において1位で即戦力候補の右腕・宮川哲東海大山形-東芝)を獲得した。2位では浜屋将太樟南-三菱日立パワーシステムズ)を指名し、即戦力クラスの投手ふたりを迎え入れた。以降、8位まで指名したが、高卒の選手は2人しかいない。高卒1年目となる独立リーガー松岡洸希桶川西-BC・武蔵)、上間永遠柳ヶ浦-四国・徳島)の指名はあったものの、どちらかというと直近の戦力を補った感は強い。

 西武は森友哉中村剛也浅村栄斗(現楽天)といった大阪桐蔭勢、松坂大輔涌井秀章(現楽天)の横浜勢、その他にも栗山巧平安)、今井達也作新学院)、高橋光成前橋育英)、菊池雄星花巻東/現マリナーズ)など、多くの高卒選手を戦力としてきた。

 だからといって高卒の選手が中心のドラフト指名かというと、決してそんなことはない。

 実際の指名人数を見ると、昨年のように高卒選手の割合は多くない。2008年の分離ドラフトが終わってからの12年間で、全指名選手に対して高卒の選手が半数を超えたのは2017年(6名中3名)の1回だけしかない。それ以外の年は高卒選手よりも、大卒や社会人、独立リーグ出身の選手を中心に指名してきたのである。

 これは近年、覇権を争っているソフトバンクとは対照的な数字である。ソフトバンクは同じく2008年から昨年までの12回のドラフトで、高卒の選手が半数を超えたのは、なんと8回もある。もちろん、育成ドラフトは含めていない。現在の西武とソフトバンクにおけるチームの作り方は、根本からして違うということがよくわかる。

 西武が黄金時代を築いた1980年代後半のドラフトを振り返ってみると清原和博(PL学園)を獲得した1985年から、1992年まで8年連続で高卒選手の指名数が半数を越えていた。それ以降は、高卒選手の指名数がめっきりと減っている。

 ソフトバンク、そして黄金時代の西武は、チームが波に乗っている時期に高卒の選手を多く指名し、次の時代に備えていく方針である。しかし、現在の西武はチームが好調であるものの、高卒選手の指名は多くない。FAなどでの流出に備える意味合いもあるが、かつてと考え方が異なっている。

 はたして今後どのようにチームは変わっていくのだろうか。数年後が楽しみだ。

【西武の高校生指名が半数以上だったドラフト】
※2008年以降
※育成はのぞく

<2017年/6名中3名>
1位:斉藤大将桐蔭学園-明大)
2位:西川 愛也花咲徳栄
3位:伊藤翔横芝敬愛-四国・徳島)
4位:平良海馬八重山商工
5位:與座海人沖縄尚学-岐阜経済大)
6位:綱島龍生糸魚川白嶺

(記事:勝田聡

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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