主将で1番捕手!中学球界屈指の名捕手・伊藤愛都( 草津リトルシニア)が過ごした3年間 【前編】
昨夏のリポビタンカップ第47回リトルシニア日本選手権大会で準優勝を果たした草津リトルシニア。チームの躍進に大きく貢献したのが主将で1番捕手の伊藤愛都だ。広角に強い打球を打ち分ける打撃技術と二塁送球1.9秒台の強肩を持つ中学球界屈指の名捕手である。春から高校生活をスタートさせる有望株に3年間での成長と今後の意気込みについて伺った。
兄の影響でチームに入団
伊藤愛都( 草津リトルシニア)
滋賀県長浜市出身の伊藤が野球を始めたのは小学1年生の時。2歳年上の兄が野球を始めたのと同時に浅井レイカーズに入団して野球人生をスタートさせた。捕手は小学6年生の時に始めたという。
草津リトルシニアに入団したのは兄の通っていた中学校の先生にチームの1期生がいたことがきっかけだった。その先生に勧められて体験に行ってみると、好感触だったことから入団を決意した。
「凄く雰囲気も良くて、レベルの高いチームだと思いました」とチームの第一印象を振り返る伊藤。当時の3年生には昨春の甲子園でも活躍した奥村真大(龍谷大平安)がおり、彼に対して憧れの気持ちを抱くようになった。
入団して上級生との差を特に感じたのが体格差だ。当時の身長は155㎝と決して大柄ではなく、「先輩たちは凄く大きくて僕もこれくらいにならないといけないとずっと思っていました」と体作りに力を入れるようになった。
その中でも特に熱心に取り組んだのが食事面だ。「お腹いっぱいと思ってからもう一杯食べていました」とこれまでよりも食事量を増やしてきた。その成果もあり、現在は177㎝73㎏と中学生にしては立派な体つきをしている。
[page_break:遠方から通った3年間]遠方から通った3年間
キャッチャー姿の伊藤愛都( 草津リトルシニア)
また、野球面以外で苦労したことがある。それが移動だ。草津リトルシニアは大津市や草津市など県南部の選手が多いが、伊藤の住んでいる長浜市は滋賀県で最も北の市町村であり、他の選手よりもグラウンドまでの移動に時間がかかった。遠征の際は夜中の1時に起床することもあったが、それに負けることはなかった。
「そこで耐えないと高校でもやっていけないと思いました。もう一人、長浜から来ている選手がいて、そいつと協力してやってきたことで、この3年間を乗り越えられたかなと思います」
心身ともにタフな3年間を過ごしたことは高校に行ってもプラスになることだろう。中学最後の大会となる日本選手権では核弾頭としてチームを牽引し、初の決勝進出に導いた。
「最後に全国大会で準優勝できたので、とても良かったと思います。全員が一丸となって一つの目標に向かってできていたので、凄く楽しかったです」
前編はここまで。後編では彼の長所と、春から始まる高校野球生活について、ある「欠かせない思い」についても紹介していきます。後編もお楽しみに!
(取材=馬場 遼)