Interview

湖国の至宝・山田陽翔(大津瀬田ボーイズ)を一躍有名にした元プロとの対戦【後編】

2020.02.19

 お正月のテレビ番組で元プロ野球選手を相手に堂々たるピッチングを披露した大津瀬田ボーイズの山田陽翔。最速142キロのストレートを投げる逸材で、1年生時にカル・リプケン12歳以下世界少年野球大会、3年生時に世界少年野球大会にそれぞれ日本代表として出場した実績を持つ。

 名実ともにスーパー中学生の名をほしいままにした山田は高校でも超高校級の活躍が期待されている。今回は全国を代表する中学球児となった彼の魅力に迫ってみた。後編では山田を一躍有名にしたテレビ番組出演、高校野球の目標について伺った。

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野球に対する情熱と努力が人一倍の「野球小僧」山田陽翔(大津瀬田ボーイズ)【前編】

有名な元プロ野球選手との対戦で自分の課題が分かった

湖国の至宝・山田陽翔(大津瀬田ボーイズ)を一躍有名にした元プロとの対戦【後編】 | 高校野球ドットコム
湖国の至宝・山田陽翔(大津瀬田ボーイズ)

 全国大会には出られずともその能力に疑問を持つ者はいなかった。様々な大会で活躍した山田はテレビ番組の出演オファーが来るまでになった。その内容はスーパー中学生投手がマスクを被った元プロ野球選手に勝負を挑み、アウトにすれば相手の正体を暴けるというものだ。このロケで過去最速を1キロ更新する142キロを記録。1人目の亀山努にはヒットを打たれたが、2人目に対戦した元木大介をファーストフライに打ち取り、正体を暴いてみせた。

「(オファーが来た時は)素直に嬉しかったですし、ワクワクしました。(相手打者は)マスク被っていたんですけど、雰囲気があって、すごくやりづらかったです。印象に残っていたのは元木さんです。狙った球をキッチリ振ってきて、危なかったです。コントロールをもっと強化しないといけないなと思いました」

 すでに引退したとはいえ、プロで活躍した選手との対決は貴重な経験となっただろう。一流選手の雰囲気を味わったことがこれからの野球人生にどんな影響をもたらすだろうか。

 高校に向けては「いかに怪我をしない体を作るかが重要になってくるので、体のメンテナンスをしっかり行っていきたいと思います」と自分の体と相談しながらトレーニングを続けている。

[page_break:将来的に投手と野手、両方の可能性を広げたい]

将来的に投手と野手、両方の可能性を広げたい

湖国の至宝・山田陽翔(大津瀬田ボーイズ)を一躍有名にした元プロとの対戦【後編】 | 高校野球ドットコム
ガッツポーズをする山田陽翔(大津瀬田ボーイズ)

 投手として注目される山田だが、打っても超中学級だ。取材に訪れた日もシート打撃でさく越え本塁打を放つなど、野手としても高校で即戦力として期待できるだけの能力を持っている。

「将来的には両方の可能性を広げていきたいと思います。打てて守れたら一番理想的なんですけど、その理想に近づけるように今は頑張りたいです。尊敬しているのは丸佳浩選手(巨人)と千賀滉大選手(ソフトバンク)です。丸選手は広角に打てるところ、千賀選手ストレートと落差の大きいフォークが魅力的なのでそれぞれ尊敬しています」

 投手としては「どんどん強気で押していくスタイルです」と話すようにストレートを主体とする一方でフォークにも自信を持っており、千賀を理想とするのも頷ける。球速については「150キロを目標にやっていきたい」と話しており、高校3年間でどこまで伸びるか楽しみだ。

 打撃でも引っ張り一辺倒ではなく、逆方向にも長打を打つことができ、本塁打を量産する未来が容易に想像できる。今後はどちらで脚光を浴びることになるだろうか。

 もうすぐ中学校を卒業し、4月からは高校生となる。心身ともに大きく成長した3年間をこう振り返ってくれた。

「学ぶことが多かったですけど、指導者のおかげで成長できたので、感謝を忘れずに頑張っていきたいと思います」

 先日、志望校だった高校の合格も決まり、「ユニフォームを着て早くやりたい」と高校野球生活に胸を躍らせる。進学先にも能力のある先輩は多数いるが、入学早々からメンバー入りしてもおかしくない実力の持ち主だ。

「試合に出られるのであれば、チャンスをものにしたいと思います。思い切りの良さを大切にして、技術では及ばない分、気持ちの強さで立ち向かっていけたらと思います」と1年目からの出番を窺っている。果たしてどんな高校野球デビューを飾るのだろうか。湖国の至宝の今後に目が離せない。

(記事=馬場 遼

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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