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空港の目と鼻の先で練習を行う福岡ボーイズ 目指すのは「気持ちの強い選手」の育成

2020.02.02

 福岡空港の目と鼻の先にある下月隈グラウンドで練習を行っている福岡ボーイズ。練習中にも盛んに飛行機が頭上を通過するが、選手たちは飛行機のエンジン音に負けず必死に声を出して練習している。

 2001年の創部から福岡県内で地道に実績を積み上げ、2016年にはジャイアンツカップ2016で準優勝に輝くなど、全国大会での実績もある福岡ボーイズ。今回はチームの目指す姿や、今年のチームの状況に迫った。

気持ちの強い選手になって欲しい

空港の目と鼻の先で練習を行う福岡ボーイズ 目指すのは「気持ちの強い選手」の育成 | 高校野球ドットコム
福岡ボーイズの練習の様子 奥には福岡空港の滑走路が広がっている

 飛行機のエンジン音が響く下月隈グラウンドで、創部当初から練習を行っている福岡ボーイズ。グランドの所有者と少しずつ交渉を進め、年々グランドの環境も整ってきた。現在ではブルペンが4つ完備されており、4人の投手が同時にピッチングを行うことも可能になった。

 部員は3年生20名が抜けて、現在は1年生18名、2年生14名の計32名で活動してる。
 OBでは九州産業大の好左腕・岩田将貴九産大九州出身)や同じく九州産業大の長距離砲・片渕一葵飯塚出身)、また2017年に東海大福岡の選抜甲子園ベスト8進出に貢献した技巧派サイドハンドの安田大将(関西国際大)など、九州地区で実績を積む実力派が至るところで活躍を見せ、最近ではショートビデオのプラットフォーム「TikTok」で活躍する「うっきー」さんなど、変わり種も出てきている。

 そんな福岡ボーイズに指導方針について、チームを率いる矢野文夫監督は「気持ちの強い選手を育てていきたい」と話す。

 「今の子供はプレーでも優しい子が多くなりました。野球では気持ちの強い選手になって欲しいと思っています。
そのために冬場などは筋トレやバットを多く振り込んで、これだけやったんだから他のチームには負けないという気持ちを持って欲しいと選手は伝えています」

 矢野監督の熱意は、選手たちにも届いているようだ。
 今年のキャプテンを任される浅嶋大和は、福岡ボーイズの特徴について「指導者が熱心に指導してくださるチーム」と話し、選手たちは指導者を信じて必死に練習をしていると言い切る。

 「福岡ボーイズは矢野監督をはじめ、コーチの方もとても熱心に指導してくださります。それに自分たちもしっかりついていっています」

[page_break:投手力は安定するも課題は打撃力]

投手力は安定するも課題は打撃力

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主将の浅嶋大和(福岡ボーイズ)

 そんな今年の福岡ボーイズは、投手を中心に守り勝つ野球が持ち味だ。
 12月に行われた第50回春季全国大会福岡県南支部予選では決勝まで進出するも、糸島ボーイズに2対3で敗れて準優勝に終わった。投手が安定している一方で、打線の得点力に課題が残る試合となり、矢野監督は春に向けてこれからさらなる攻撃力の向上が必要と語る。

 「実は去年のチームもなかなか打てなくて点が取れず、何とかピッチャーが踏ん張ってくれていました。なので、今年は何とか打撃で点が取れるチームにしていきたいと思っています」

 矢野監督がキーマンに挙げるのが、キャプテンであり1番打者を務める浅嶋大和だ。下醉尾陸人や冨野蒼太など軸となる投手はいるだけに、切り込み隊長であり、精神的支柱でもある浅嶋のさらなる活躍が鍵を握っている。

 「今年は打てるチームになって欲しいです。1番の浅嶋や他にも2番の山口修平など、良い選手もいるので期待したいですね」

 またキーマンに名前が上がったキャプテンの浅嶋も、強い意気込みを見せる。糸島ボーイズへのリベンジと、全国大会への出場を目標に掲げ、「最後まで諦めずにみんなで声を出して戦うチームを作り上げたい」と強く語る。

 「これからの課題は、得点を先行された時に沈んでしまって逆転ができていないところです。みんながしっかり同じ方向を向いて、一丸となって最終的には全国に出場できるようなチームを作っていきたいと思います」

 心地よい飛行機のエンジン音の中で、福岡ボーイズの選手たちがこれからどんな成長を見せるのか注目だ。

(記事=栗崎 祐太朗

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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