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逆転選出も!?選抜出場で運命を変えた花巻東と日大三

2020.01.22

逆転選出も!?選抜出場で運命を変えた花巻東と日大三 | 高校野球ドットコム

 1月24日、第92回選抜出場高等学校野球大会の出場校が発表される。野球に限らず、選抜発表はいろいろな反応があり、ドラマがある。その中であっと驚く発表がありながらも、運命を変える発表だったものもある。

 まず1つ目が2009年出場の花巻東である。2008年の秋季東北大会では準決勝で優勝した光星学院に3対6で敗れた。そして準優勝は一関学院で、光星学院に1対7で敗れている。選ばれたのは花巻東だった。当時のメディアでは逆転選出という見出しが並んだ。東北大会では一関学院が準優勝しているが、花巻東は県大会で一関学院を9対2で勝利していて、優勝を果たしていた。

 勝ち上がりを見てもまさに甲乙つけがたいもの。このケースだと、直接対決を勝利した花巻東に軍配が上がった。

 この選出は花巻東にとって全国的な強豪へ昇華するものとなった。大会前から注目を浴びていた大型左腕・菊池雄星(現シアトルマリナーズ)は選抜初戦の鵡川戦で、9回一死まで無安打。最終的に2安打を打たれたが、12奪三振完封勝利。そして150キロも計測し、一気に2009年センバツのスターとなった。その後、準優勝まで輝き、2009年の高校野球の主役となった。また全力疾走、カバーリングなど細かいところまで徹底する花巻東野球も注目されるようになり、準優勝を経験したことで、花巻東は自分たちの野球スタイルに自信を持ち、今も、スタイルを変えることなく、全国常連の強豪となっている。もし選ばれていなかったら、菊池も、野球界はどうなっていたのか…。それだけ歴史的な選出だった。

 そして2つ目が2010年の日大三だ。日大三と争っていたのが、関東大会ベスト8の桐蔭学園だ。ベスト4の東海大望洋(現・東海大市原望洋)に1対4で敗退した。例年ならば、東京・関東の6枠目は東京の準優勝校と比較になるが、当時、準優勝の東海大菅生は1対13で敗れ、さらに不祥事で推薦を辞退しており、準決勝敗退の日大三との比較になった。最終的に全国トップレベルの総合力を誇る帝京相手に4対5と互角の勝負を演じた日大三が選出されることなった。この選考は確かだった。全国に登場した日大三はパワフルな野球で圧倒。超高校級レベルの強打で他校を圧倒し、準優勝を果たした。日大三はエース・山崎福也(現・オリックス)が投打で活躍。特に打撃面では一大会の通算安打の最多タイ記録となる13安打を記録した。

 山崎だけではなく、高山俊(阪神)、横尾俊建(北海道日本ハム)とのちにプロ入りする選手も出場。この選抜出場が全国制覇を明確に意識するものとなり、高山、横尾ら3年生となった2011年夏には甲子園優勝を決めている。

 全国の野球ファンの注目度が非常に高い甲子園は春、夏に限らず、出場選手にとって大きな影響を与え、人生も変えたと聞く。それだけ選抜発表は重いものなのである。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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