「自然に出来上がったポケットがベスト」 球界屈指の捕手・田村龍弘(千葉ロッテ)が語るミットへのこだわり
ミズノアンバサダーミーティングにて報道陣に対応する田村龍弘(千葉ロッテマリーンズ)
高校時代は強打で恐れられた光星学院(現八戸学院光星)で3番捕手として3季連続甲子園準優勝を経験した千葉ロッテマリーンズ・田村龍弘。
2012年のドラフトでは3位でロッテから指名を受けて晴れてプロ入り。里崎智也の後継者として期待を持たれ、2018年シーズンには全試合出場。2019年シーズンは100試合に出場し、打率.243で3本塁打、31打点という結果に終わった。
高校時代から期待されてきたバッティングはこれからだろうが、プロでは守備を武器に活躍。2016年にベストナインを受賞すると、2019年はオリックス・若月健矢に続く盗塁阻止率.347を記録し、パ・リーグ2位。全体4位の成績というプロ6年目の男は、確かな守備でチームからの信頼を勝ち得てきた。
そんな田村がシーズンで使うミットを見てみると、人差し指の部分に充て革のような補強が施されているのが気になる。球界を代表する捕手が、どのような意図で補強しているのか、12月6日のミズノ本社で開催されたブランドアンバサダー会議にてお話を聞いてみた。
「ピッチャーのボールを捕ると腫れてしまうので、その予防のためにやっています。キャッチャーというポジションのため、指先にまでどうしても神経を使うんです」
140、150キロ台の剛速球を毎日受けていれば、手に影響が出ないはずはない。長いシーズンを戦い抜くため、田村の小さな配慮がその充て革には込められているのだ。
また普通のグラブと違いミットは革が厚いため、型付けするのが一苦労する。また、綴じ方もいくつか種類があるため、型付けが非常に難しい。では田村は型付けをする際に、どのような配慮をしているのだろうか。
「『こんな型が良いな』とか『こういう型にしたい』とかを思って型付けはしないです。まずはマシンのボールをひたすら当てて下へ落とす。そうやって自然に出来上がったポケットが、自分に合うベストな型で最高のミットだと思うんです」
2020年はプロ7年目に突入する田村選手。東洋大の佐藤都志也が入団し、過熱する正捕手争い。中堅の域に入ってきた実力派捕手がどんなプレーを見せるのか。今後も目が離せない。
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