ウェスタン最多打席の根尾、期待の捕手・石橋!中日の高卒ルーキーの現在地
今季、プロの舞台へと進んだ高卒1年目の選手たち。2000年生まれ世代の彼らは、「ミレニアム世代」と呼ばれ、高校3年の夏の全国高等学校野球選手権が第100回大会だったということもあり、大いに野球界をにぎわせてきた。
根尾昂(大阪桐蔭⇒中日)のように中学時代からその名を知られた者もいれば、吉田輝星(金足農⇒日本ハム)のように高校3年時に一躍全国区となった者もいるミレニアム世代。そんな彼らの1年目の活躍を、球団ごとに振り返り、現在地を探っていく。今回は中日ドラゴンズを見ていこう。
近年は早い段階での高卒選手の起用が続く「育成」の中日
根尾昂(大阪桐蔭-中日ドラゴンズ) 写真:共同通信
2018年プロ野球ドラフト会議で中日から指名を受けた高卒選手と、彼らのファーム成績は下記の通り。
1位 根尾昂 内野手 大阪桐蔭
2試合 無安打 2三振 打率0.00(一軍)
108試合 86安打 2本塁打 33打点 9盗塁 127三振 打率.210
4位 石橋康太 捕手 関東一
12試合 1安打 2打点 8三振 打率.059(一軍)
46試合 22安打 4本塁打 12打点 33三振 打率.186
5位 垣越建伸 投手 山梨学院
15試合 3勝2敗 32.2回 16奪三振 防御率3.58
4球団競合の末に地元・中日入団を果たした根尾昂は、主に遊撃手のレギュラーとして108試合に出場。444打席はウェスタン・リーグ最多の数字だ。シーズン中盤までは苦しんだが、9月には月間打率.355を記録するなど、一皮むけた様子だ。
今オフにはアジアウィンターベースボールリーグにも参加し、二塁、外野にも挑戦中。来季は開幕一軍を目指したいところだが、まずはファームで圧倒的な力を見せつけ、シーズン中盤以降の昇格を期待したい。
1位の根尾に先んじて一軍初出場、初安打を放ったのが石橋康太だ。ファームでの成績自体は突出したものではなかったが、広島・野間峻祥の盗塁を刺すなど首脳陣の評価を高めて7月に昇格、スタメン出場を果たした。
今季はファームで、捕手としてチームトップタイの39試合に出場した石橋。一軍では加藤匠馬が92試合に出場したが、正捕手は固定できずにいる。春季キャンプでアピールし開幕一軍を掴むことができれば、将来の正捕手の座も手に届くところに来るだろう。
5位で入団した垣越建伸は、ファームで15試合に登板。シーズン中盤に打ち込まれることがあったが、7月以降は12回を投げて1失点のみと好投を見せた。奪三振数が少ないのがやや気になるところだが、2年目、3年目までに球の威力を高めて、三振が奪れる大型左腕として一軍の戦力になりたい。
近い将来、飛騨高山ボーイズの同期でもある根尾とのコンビで一軍の試合を沸かせることを期待したい。
今秋ドラフトでも目玉の石川昂弥(東邦)を獲得した中日。近年は高卒選手の早い段階での一軍起用が目立つが、彼らもその良い流れに乗ることを期待したい。
(記事=林 龍也)
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