日本代表、ベネズエラに大逆転もまたしても技巧派左腕に苦しむ
11月2日に開幕したプレミア12。日本は5日にベネズエラとの初戦を迎え、8対4で逆転勝利を収めた。改めて日本の底力を感じた試合だった。
ただ、U-18代表の試合を見てきた方はずっと感じていたと思うが、トップチームも左投手に弱い。特に技巧派に弱い。これは日本野球の欠点である。
初戦もベネズエラの先発左腕・フェリックス・ドゥブロンの投球の前に苦しんだ。
ドゥブロンは188センチの長身からインステップ気味に踏み込んで投げ込む。剛速球を投げるわけではないが、カットボール、チェンジアップ、曲がりが大きいカーブ、スライダーを丹念に低めに投げられる。フルスイングできる球がなく、当てる打撃になってしまう。特に良かったのはカットボールで、手元で鋭く切れるもので、簡単にミートができない。どうしても日本打線はカットボールに狙い球を絞っていくが、ベネズエラバッテリーはコーナーギリギリのストレートを投げて打ち取る。
打者はカットボールの残像が残っているので、ストレートに手が出ない。さすがメジャー31勝左腕というべきピッチングだった。
その後、日本は右投手のソティレットを攻略して一時は逆転に成功したが、日本がどれだけテクニックを得意とする左腕を苦手にしているのが分かる試合内容だった。
ドゥブロンのピッチングに苦しむのは無理もない。事前に調べているとはいえ、どの打者も打ちにくそうな印象を受ける。
これはトップチームだけではなく、高校日本代表も苦しんでいる。
今年の大会でいえば、台湾戦で東北楽天の育成選手としての入団も決まった王彥程の前に1点しかとれなかった。また、逆転勝利を収めたパナマ戦でもマービン・ブラウンから4回まで1点しか取れず、5回裏にチャンスを作って、降板をさせて、石川昂弥(東邦)の3ランで逆転に成功したが、テクニックを得意とする左腕には苦しんだ。
嫌な流れから逆転したトップチームの底力は見事ではあるが、日本の最大のライバル・韓国は日本キラーの金廣鉉が代表入りしている。今回は3打数2安打の活躍を見せた浅村栄斗、3安打の活躍を見せた菊池 涼介の打撃内容は素晴らしいものがあった。
ああいう打撃を多くの選手が実践できれば、勝利は近づくだろう。