自身初タイトルとなる、セーブ王受賞!クローザー・松井裕樹が歩む確実なステップアップ
松井裕樹
26日に行われたNPB AWARDS 2019 supported by リポビタンDで楽天イーグルスの松井裕樹が初めてセーブ王のタイトルを受賞。これまで獲得したタイトルがなかった松井にとって、プロ6年目で初のタイトルとなったのだ。
松井といえば、7年前の2012年の夏の甲子園で初戦の今治西戦で、9回投げて10者連続を含む22奪三振の快投。2年生エースとして大会ベスト8までチームを牽引して、2013年の世代NO.1投手に躍り出た。
最高学年では春夏ともに甲子園出場とはならず、悔し涙を流した。それでもU-18では山岡泰輔、田口麗斗らと投手陣を牽引。パ・リーグのMVPを受賞した森友哉、上林誠知ら野手陣とともに世界と戦ってチームを準優勝に導いた。
そしてプロ入り後は先発を中心に1年目を過ごして4勝8敗、防御率3.80という成績。負け越したものの完投を経験するなど、着実にステップアップ。すると2年目、大久保博元監督の方針でクローザーへ転向。これが見事にハマり、3勝2敗33セーブ、防御率0.87でプロ野球史上初の10代での30セーブという偉業をやってのけた。
その後、2016年と2017年は連続して30セーブ以上をマーク。2015年のプレミア12や2017年のWBCで日本代表に選出されるなど、球界屈指のクローザーへと成長。そして2019年は再びクローザーとしてチームの守護神に君臨。遂に自身初のタイトルを手にすることが出来た。
今回のプレミア12は肘の違和感で辞退をしたが、ここまでの通算セーブ数は139。この記録は全体の16位タイで、サウスポーで見ると、全体3位の記録。2位の江夏豊の193セーブにあと54セーブと迫っており、20代のうちに抜き去ることが考えられる。
ここまでの成績を残せているのは松井の中で「プロフェッショナリズム」を持っているからだ。
以前のインタビューで松井はコンディション調整を聞かれた際、「楽天の場合は、ビジターでもみんな畳めるような薄めのマットレスを持っていっています。それを宿泊先のベッドの上に敷いて寝るのですが、効果を感じています。だからいつも同じマットレスで寝られるようにしていますね」と語っている。
またクローザーに回ったことで、「85%で行っておいて、勝負どころで100%・115%」だった先発時から基本100%の力を発揮するように調節したり、「片脚で立った時に安定した形を作ることを意識する。あとは反動を付けないこと」でストレートに磨きをかけたことが大きな飛躍につながったことを、インタビューでは語っていた。
プライベートでは女優・石橋杏奈と入籍して、一家の大黒柱となった松井。2020年はオリンピックイヤー、成長が止まらないドクターKの今後も見逃せない。