嘉弥真新也は八重山農林高校唯一のNPBプレーヤー、沖縄にはその他にも?
11月から始まるプレミア12を控えた侍ジャパン日本代表が、カナダ代表との強化試合を行う沖縄入りを果たした。すでに宮崎で合宿を行っており、大半のメンバーは宮崎から移動となる。一方で、日本シリーズを戦ったソフトバンクと巨人の選手たちは合宿には不参加。沖縄からの合流となる。
もともとは選出されていなかったが、辞退する選手が出たために急遽追加されたソフトバンクの嘉弥真新也もそのひとりである。
嘉弥真は左キラーとして期待されており、チームでの役割と同様に左打者に対するワンポイントでの起用が濃厚だ。昨シーズンオフの日米野球では、その役割には高梨雄平(楽天)が選出されていたが今回は不在。嘉弥真が結果を残すことができれば、代表に定着する可能性も十分にあるだろう。
そんな嘉弥真は、今回の強化試合が開催される沖縄県の八重山農林高校出身だ。本島ではなく石垣島にある同校は、春夏の甲子園への出場経験はない。今秋は九州大会に出場したものの初戦敗退。来春の甲子園も選出は難しいのが現状だ。
同校からドラフト指名された選手も嘉弥真が初めての存在だった。嘉弥真が指名された2012年以降以降もドラフト指名選手は生まれておらず、現時点では唯一のNPBプレーヤーである。
その他にも沖縄県の高校でドラフト指名された唯一のプロ野球選手が、現役という例が複数ある。
高校時代の宜保翔
嘉弥真以外にはコザ高校の比嘉幹貴(オリックス)、北山高校の平良拳太郎(DeNA)、具志川高校の國場翼(西武)、未来沖縄高校の宜保翔(オリックス)、普天間高校の与那原大剛(巨人/育成)と5人がそうだ。
興南高校や沖縄尚学高校といった甲子園でも実績のある高校出身者だけでなく、甲子園の常連とは言えない、いや出場経験もない高校からもNPBプレーヤーは誕生しているのである。
現時点ではNPBプレーヤーは1人だけかもしれない。しかし、自身が活躍することでそれに憧れ母校の門をたたく中学生も増えるはずだ。母校から2人目のNPBプレーヤーが誕生するまで現役を続けてほしい。
文=勝田聡