智辯学園vs神戸国際大附
前川の2打席連続弾で智辯学園が逆転勝ち!
逆転3ランを放った前川右京(智辯学園)
奈良1位の智辯学園が主砲の一振りで逆転勝利を収めた。
神戸国際大附は2回表、一死一塁から6番・武本琉聖(1年)が右翼席へ飛び込む2ラン本塁打を放ち、先制点を挙げる。右内転筋の肉離れで県大会は出場のなかった武本。公式戦初打席で鮮烈な当たりを放ってみせた。
そして神戸国際大附は先発投手も公式戦初登板となる背番号7の岡野翔海(2年)という思い切った采配。「一番安定感がある」と青木尚龍監督の信頼が厚い岡野はスプリットを武器に2回まで無失点とまずまずの立ち上がりを見せる。
しかし、3回裏、智辯学園は二死一塁から3番・今﨑圭秦(2年)が二塁打でチャンスを広げて、打席に4番の前川右京(1年)を打席に迎える。
「積極的にいくことを考えて、来た球をしっかりと振りました」と前川は初球の甘く入ったスプリットを右翼席に叩き込む逆転3ランを放った。
さらに5回裏にも前川は、再び落ち切らなかった初球のスプリットをバックスクリーン右にアーチを描き、1点を追加。2打席連続本塁打で試合の流れを確固たるものにした。
智辯学園先発の西村王雅(1年)は制球に苦しむも、荒れ球がかえって、相手打者の的を絞らせなかった。結局、2回の本塁打のみに抑えて完投勝利。地元開催の近畿大会で2年ぶりのセンバツ出場に一歩前進した。
2本塁打を放ってチームの全打点を叩き出した前川。入学してから半年を超えたばかりではあるが、既に21本の本塁打を放っている。世代屈指のスラッガーとして、今後も注目を浴びることになりそうだ。
勝てばセンバツ出場が濃厚となる準々決勝では智辯和歌山との“智辯対決”が実現した。互いのプライドを懸けた白熱の一戦から目が離せない。
記事=馬場 遼