試合レポート

奈良大附vs近江

2019.10.21

3本塁打と打線爆発の奈良大附が準々決勝進出

奈良大附vs近江 | 高校野球ドットコム
4回表に本塁打を放った矢野一希(奈良大附)

 奈良大附が滋賀1位の近江を打撃戦で下した。

 先制したのは近江だった。2回裏に5番・長谷川勝紀(2年)、6番・島瀧悠真(1年)の連続二塁打で1点を先制。なおもチャンスが続いたが、奈良大附の先発・矢野一希(2年)が踏ん張りを見せ、追加点を許さない。

 対する奈良大附は3回表、二死三塁から2番・吉岡耶翔(2年)が遊撃手の後ろに落ちるラッキーな適時二塁打を放ち、同点に追いつく。さらに二死一、二塁から4番・山本陸(2年)の三塁線を破る適時二塁打で勝ち越しに成功。その後、バッテリーミスで1点を追加し、奈良大附が試合の主導権を握った。

 逆転した奈良大附は4回表に7番・矢野、5回表に6番・野坂拓夢(2年)が本塁打を放つなど、打線が爆発。滋賀大会で好投を続けていた近江のエース・島瀧を5回途中でノックアウトした。

 7回表を終えた時点で11対4と1点を取らないとコールド負けとなってしまう近江は一死から3番・土田龍空(2年)が二塁打を放ち、好機を演出。4番・鈴木脩太(2年)も安打で続き、一、三塁とすると、長谷川の右前適時打で1点を返し、コールドを免れる。

奈良大附vs近江 | 高校野球ドットコム
5回表に2ランを放った野坂拓夢(奈良大附)

 9回裏にも二死一、二塁から途中出場の山本克海(1年)が2点適時二塁打を放ち、意地を見せたが、5回の7失点が重かった。中盤に大量リードを奪った奈良大附が準々決勝進出。あと1勝でセンバツ出場に大きく前進する。

 絶対的エースだった林優樹(3年)が抜けて、投手陣の柱が不在で始まった新チームの近江。「正直、できすぎですよ。ここまで秋は勝てると思っていなかった」と多賀彰仁監督は胸の内を明かした。それでも滋賀大会では島瀧と本間遥大(2年)が奮闘。5試合で1失点と投手力の課題は改善されたかと思われたが、近畿大会では奈良大附の打力の前に屈する形となった。

 「5回の7点は奈良大附さんの攻撃を褒めるべきでしょう。島瀧には良い勉強になったでしょう。2ストライクで追い込んでから打たれているというイメージでしたね」と多賀監督は1年生エースの奮起に期待していた。

 奈良大附は3本塁打と打線が好調。エース・矢野がピリッとしなかったのが、気がかりだが、次に向けて勢いの付く勝利となっただろう。準々決勝でも打ち勝つことができるだろうか。

記事=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在28地区が決定、長野では松商学園がノーシードに

2024.05.11

名門・東海大相模の進路紹介!プロ注目打者は東洋大、エースは中央大で早くもリーグ戦に出場!

2024.05.11

【2024年最新版 スーパー中学生リスト】 関東地区の強豪校注目の遊撃手、高校スカウト殺到の大型左腕、中村剛也の長男など38人をピックアップ

2024.05.11

【新潟】プロ注目右腕の帝京長岡・茨木が完封、日本文理とともに決勝進出<春季県大会>

2024.05.11

シニア日本代表が発表!選抜大会準優勝の主力打者、ベスト4の主将、優秀選手などが選出!

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在28地区が決定、長野では松商学園がノーシードに

2024.05.06

センバツV・健大高崎は夏も強い! Wエース抜きで県大会優勝、投打に新戦力が台頭中!

2024.05.06

【関東】山梨学院と常総学院がそれぞれ優勝、出場校の対戦が確定<春季大会>

2024.05.06

【春季埼玉県大会】花咲徳栄4回に一挙10得点!20得点を奪った花咲徳栄が昌平を破り優勝!

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>