Interview

「日本代表」の喜びを力に変えて 侍ジャパン女子代表U-18マドンナジャパン 工藤 里菜(神戸弘陵学園3年・三塁手)

2019.10.09

 今年11月9日から中国・広東省中山市で開催される「第2回BFA女子野球アジアカップ」に参戦する侍ジャパン女子代表。前回大会に続き「U-18マドンナジャパン」として編成される今大会代表では、20名の高校生がアジア女子野球の頂点を目指していく。
 その中でもひときわ輝きを放っているのが身長171センチの大型三塁手・工藤 里菜さん(神戸弘陵<兵庫>3年)。秋田・八郎潟町立八郎潟中時代は吉田 輝星投手(潟上市立天王中~金足農~北海道日本ハムファイターズ)とも対戦した経験を持ち、主将として「全国高等学校女子硬式野球選抜大会」2連覇にも貢献した彼女へ、9月8日(日)の西日本合宿終了直後に話をうかがった。

「安定した守備とバッティング」で侍ジャパンの力に

「日本代表」の喜びを力に変えて 侍ジャパン女子代表U-18マドンナジャパン 工藤 里菜(神戸弘陵学園3年・三塁手) | 高校野球ドットコム
工藤 里菜(神戸弘陵学園3年)

――まずは初の「侍ジャパン」としての2日間、感想はいかがですか?

工藤 里菜 三塁手(以下、工藤) 人数が少ない(西日本合宿は20名中11名が参加)中で選手間のコミュニケーションは取れましたが、まだプレーのコミュニケーションは取り切れていないので、そこは直前合宿で合わせていきたいです。

――練習中のノックでは三塁手の位置からいい送球を見せていました。

工藤 遠投は測定したことはないんですが、肩には自信を持っています。自分の持ち味は安定した守備とバッティングだと思っているので。チームでは4番を打っていたので足を使う機会はあまりなかったんですが、侍ジャパンでは狙えるところは狙っていきたいと考えています。

――では、侍ジャパンで自分の力をどのように活かしていきたいと思っていますか?

工藤 チームではどんどん打っていくスタイルでしたが、侍ジャパンでは小技・チームバッティング・進塁打など考えたバッティングをしていきたい。長野(恵利子)監督は1人1人に対して丁寧に「どうすべきか」を教えてくれるので、そこに応えたいです。

「自分で考える」で成長できた神戸弘陵の3年間

「日本代表」の喜びを力に変えて 侍ジャパン女子代表U-18マドンナジャパン 工藤 里菜(神戸弘陵学園3年・三塁手) | 高校野球ドットコム
代表合宿でキャッチボールをする工藤

――少しここまでの球歴についてもきかせてください。小学校では野球をしていたのですか?

工藤 秋田の八郎潟スポーツ少年団ではソフトボールで投手をしていました。中学では軟式野球部。セカンドで5番から8番を打っていました(3年夏には全県少年大会優勝)。

――秋田県の中学軟式出身ということは1年先輩には北海道日本ハムファイターズ・吉田 輝星投手(潟上市立天王中~金足農)がいます。

工藤 中学校から同じ地区で見ていましたし当時からすごい投手。昨年の甲子園も見に行きました。秋田県出身として尊敬しています。対戦経験もありますが、実はあまり覚えていないんです(笑)

――高校は関西地区の神戸弘陵へ。東日本にも女子硬式野球の強豪校が多くある中、あえて神戸弘陵を選択した理由は?

工藤 小学校からずっと日本一を目指してきましたし、練習参加した中でも神戸弘陵は環境は練習に対する姿勢もよかったので進学を決めました。3年間はあっという間でしたが、自分で考えて試合や練習もできましたしプレーの課題に取り組めました。

――春の「全国高等学校女子硬式野球選抜大会」2連覇で日本一も経験した工藤さん、最後に改めて「第2回BFA女子野球アジアカップ」での目標と、これから先の夢を教えてください。

工藤 大学でも野球は続けるので、その前に高校最後の大会を優勝したい。 大学の先は球団職員とか野球にかかわる仕事につきたいとおもっています。
 そしてこの大会は侍ジャパンとしても2連覇がかかっているし、チーム全員で勝ちたい。個人的には日本代表に選ばれた喜びを力に変えて、チームに貢献していきたいです。

 「好きなタレントは石原さとみさん。実は美容師とかになろうと思っていた時期もあるんです」と最後はハニカミながら教えてくれた工藤 里菜さん。どこにいてもすぐにわかるスター性を持つ彼女が「第2回BFA女子野球アジアカップ」で、さらなる輝きを放つことを期待したい。

(取材=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実がコールド勝ち!川内商工は終盤に力尽きる

2024.05.31

夏の愛知大会は6月28日から開幕!決勝戦は7月28日【愛知大会要項】

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿屋農が"強気の勝負"で勝機を引き寄せ4強入り

2024.05.31

【北信越】富山県勢4校が12年ぶりの県勢V狙う、茨木擁する帝京長岡にも注目<地区大会>

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.26

【春季関東大会】白鷗大足利が初優勝!最後はタイブレークの末サヨナラ死球で幕切れ!

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】エース頼み脱却を目指してきた京都国際。「素質はプロ入り左腕と同等」の2年生左腕の台頭と打線強化で京都の大本命に成長!

2024.05.26

【福島】聖光学院が4連覇を達成<春季県大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉