東海大菅生vs多摩大目黒
元U-15代表・本田が公式戦初マウンド 本調子とは遠くも次回への糧に
先発の1年生左腕・本田崚也(東海大菅生)
夏の選手権西東京大会は惜しくも準決勝で終戦した東海大菅生。優勝候補の筆頭と見られていただけに、その悔しさは非常に大きくかったに違いない。
そんな中で、新チームの最初の公式戦のマウンドに上がったのは、小松加賀リトルシニア出身の1年生左腕・本田峻也であった。2018年のU-15日本代表に選出され、大きな注目を浴びる中で東海大菅生に進学した本田だったが入学後は高校野球の壁にぶつかった。
「U-15でも自責点0でしたし、投手リーダーも務めてました。浮かれていたわけではないですが、正直自信に満ちあふれていましたね。でも東海大菅生に入ってたら、レベルの高さに驚いて一回気持ちが折れました」
その言葉通り、この試合でも序盤から苦しいピッチングとなる。
ボールの走りは決して良いとは言えず、1点リードで迎えた2回、二死二、三塁から多摩大目黒の8番・伊藤にタイムリーを許して同点とする。
「今日のピッチングは20点ぐらいです。正直緊張してて、自分のピッチングが出来なかったです。腕も振れてなかったし、コントロールもばらついてました」
そんな本田をカバーしたのは、層の厚い打線であった。
同点で迎えた2回裏、ランナーを一人置た場面で8番・臼井直生のレフトへのツーランホームランで勝ち越しに成功すると、その後も二死一、二塁から4番・森下晴貴のレフト前タイムリーでさらに1点を追加。
4回裏にも、2番・玉置真虎のタイムリーツーベースでさらに1点を追加すると、5回裏にも8番・臼井がタイムリースリーベースなどで3点を追加し、リードを着実に広げていく。
追加点を挙げる東海大菅生
援護を受けた本田は、5イニングを投げて被安打3、与四死球2の1失点と何とかゲームを作ることが出来た。試合はその後も東海大菅生がリードを広げ、9対1の7回コールドで東海大菅生が多摩大目黒を下した。
試合後、本田は反省を口にして、次回の登板に向けて前向きに意気込みを語った。
「投球自体はダメでしたが、公式戦の雰囲気を感じることが出来たのは良かったと思います。この経験を次に活かせるようにしたいと思います」
一方、敗れた多摩大目黒は秋の初戦に向けて合宿を張って調整を続けてきたが、東海大菅生の高い総合力の前に屈した。眞弓禎史監督は東海大菅生と対戦するにあたり、「どのように勝つかよりも、まずは勝つつもりで戦っていこう」と選手に声を掛けてきたと話す。
「まずは勝つつもりでしっかり戦い、終わった後に正確な答えを出そうと話しました。なので、今日はとにかくチャレンジしようと生徒たちに言い続けてきました。
今年は攻撃のチームを作りたいと選手たちが言ってきたので、機動力を絡めた攻撃力を磨いてきましたが、このレベルだとやっぱり上手くいかないですね」
とは言え、エラーこそ出たが全体的な守備のレベルはそれほど低いようには感じられなかった。
眞弓監督も語ったように、ここから打撃をさらに磨きをかけてもっと鍛えて、春季大会ではでは躍進を見せたい。
(文=栗崎 祐太朗)