Column

世界トップレベルの剛腕・佐々木朗希(大船渡)の投球は誰もがワクワクするロマンが詰まっている

2019.08.27

  今年の世界大会は150キロを超える豪速球投手は多い。それでも佐々木朗希大船渡)は世界トップクラスの逸材だと断言できる。

 常時150キロ前半のストレートは大学生トップレベルの選手が集まった大学代表でさえも圧倒。26日の大学代表戦では1回2奪三振の快投で観客を沸かせた。

 岩手大会の投球フォームと比べると、佐々木は体重移動が少し変わった。佐々木は左足を高々と上げながら、姿勢が崩れないバランスの良さが特長。体重移動に入るとき、左足の膝を伸ばして、足の裏を打者に見せてから着地する「ロッキング」を行う。この「ロッキング」動作における体重移動が、今回の試合では以前よりスムーズでフォームに定着している印象を受けた。

 この動作は前田健太(ドジャース)が実践している動作で、高校野球界では2017年の大阪桐蔭のエース・徳山壮磨早稲田大)が取り入れてから、広まりつつある。徳山は「上体が前につっこんでしまってはいけないので、ロッキングをすることで左足を地面に着けてから体の軸を回転させて投げる意識付けをしています」と語っていた。

 佐々木は193センチの長身を存分に生かした縦回転の投球フォームである。また、それによって若干タイミングが取りにくいのか、空振りを奪うことができる。さらに制球力もそれなりのものがあり、130キロ後半のフォークも操る。

 よくドラフト評価で、将来性の佐々木、完成度の奥川と評されるが、佐々木も高校生としてはかなり完成度が高い投手である。それでありながら、まだ伸びしろが期待できるところに末恐ろしさを感じるのではないだろうか。

 世界一へのキーマンとして期待される佐々木。アメリカ、韓国といった強豪国相手にどんなピッチングを見せるか。佐々木の投球は日本の野球ファンだけではなく、世界の野球ファンをワクワクさせるようなロマンが詰まっている。

(記事=河嶋 宗一

世界トップレベルの剛腕・佐々木朗希(大船渡)の投球は誰もがワクワクするロマンが詰まっている | 高校野球ドットコム関連記事はこちら!

佐々木朗希、奥川恭伸などが選出!侍ジャパンU-18代表20名の顔ぶれ

侍ジャパンU-18代表が駒澤大と対戦!2試合をレポート!
理性的な判断と管理があったからこそ佐々木朗希は飛躍した

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.28

春の福岡地区を制した沖学園(福岡)、勝利のカギは異例の「決勝直前沖縄合宿」だった

2024.05.28

【大分】佐伯鶴城は4戦3勝、杵築は4戦で1勝<強化試合>

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】錦江湾が1点差勝利!出水工の追い上げ、あと1点及ばず

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】川内商工が2試合連続逆転サヨナラ勝ち!雨のため2試合が継続試合

2024.05.28

【北海道】北海が逆転勝利、27連勝で4季連続V達成<春季全道大会>

2024.05.25

【関東】白鷗大足利が初、逆転サヨナラの常総学院は15年ぶり決勝<春季地区大会>

2024.05.25

【熊本】九州学院、熊本工が決勝へ<NHK旗>

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.25

【岩手】盛岡大附がサヨナラ、花巻東がコールドで決勝進出、東北大会出場へ<春季大会>

2024.05.26

【春季関東大会】常総学院・中村虎汰郎が二刀流の活躍で決勝進出に貢献!9回にはサヨナラに繋がるヒット!投手としてはセンバツ後に再転向で連日の好リリーフ!

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商