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「甲子園でプロ入りアピール」はもう遅い?甲子園から消えたスカウト陣

2019.08.10

 第101回全国高等学校野球選手権大会第5日目。早くも49代表校のうち半数以上が登場し、10月17日(木)に開催される「プロ野球ドラフト会議supported byリポビタンD」を迎えるNPBスカウト陣の選手視察も佳境に入ってきたはずなのですが、今年はその状況にいささか変化が起こっているようです。

甲子園から消えたスカウト陣

「甲子園でプロ入りアピール」はもう遅い?甲子園から消えたスカウト陣 | 高校野球ドットコム
奥川 恭伸(星稜) 鈴木 寛人(霞ヶ浦) 写真:共同通信

 

 中継を見ても昨年までスカウト陣のいた席には姿がなく、明らかに大柄な男たちで囲まれた席も試合中盤で空席となる場合も。やはり佐々木 朗希大船渡<岩手>3年)、奥川 恭伸星稜<石川>3年)、西 純矢創志学園<岡山>3年)の右3枚、左腕の及川 雅貴横浜<神奈川>3年)の「高校BIG4」のうち、奥川しか甲子園に出場できなかったことが影響しているのでしょうか。ただ、変化の理由はそれだけではないのです。

 7月の地方大会前、各高校の練習試合に顔を出すスカウトからはよくこのような言葉を耳にします。「今日は○○くんの見極めに来たよ」。

 「見極め」とは、球団の指名候補リストに担当スカウトの裁量で掲載するか、掲載しないか。もし掲載する場合は部長クラスの上司を地方大会に呼んで評価してもらう。もし掲載されない場合は……その球団における当該選手指名はほぼ絶たれます。よってこの甲子園時期はすでに高校生の見極め、大学・社会人志望かの進路調査、さらに上司のチェックも終わっている時期。端的に言えば「甲子園でプロ入りをアピールする」ということは現実的にはほぼ無くなっていると言っていいでしょう。

 では、それでも甲子園で「ドラフト指名確実」と言われている以外の選手の動きを追っている大男たちがいたとしたら?それは「隠し玉発掘」のシグナルサイン。もし、甲子園を現地やTVでご覧になる方はネット裏の動きを見てみるのも1つの楽しみ方かもしれません。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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