夏のストレスから身を守る抗酸化成分!
人間は、日々の生活の中で、酸素を使って生きています。取り込んだ酸素の2~3%は、身体の中で不安定かつ強い酸化作用を発揮する「活性酸素」へと変化します。運動量の多いアスリートの体内において、活性酸素が多く生産され、筋肉の状態の低下や疲労回復の妨げの原因となり、身体にとってストレスになってしまいます。
夏は特に日焼けや発汗等で呼吸回数も増え活性酸素は増えやすくなります。
今回は、活性酸素の対策に有効な食品をご紹介していきます。
活性酸素とは?
運動量が多いアスリートの体内においては活性酸素が多く産生される
活性酸素は、わかりやすく表現すると、身体をサビつかせる物質とも言えます。活性酸素は、微量であれば良い作用をもちますが、大量に産生されると、疲労蓄積・疾病老化・免疫機能の低下などの悪い影響を及ぼします。
りんごに例えて説明すると。りんごを半分に切ってしばらく放置していると、断面が茶色に変色しますよね。
これは、断面が空気中の酸素と触れ「酸化」されるために起こる化学反応です。我々の身体においても同様に、「酸化」が起こります。
そして、運動時には身体に取り込む酸素の量が多くなるために、活性酸素の産生量が増えてしまいます。
そのため運動量が多いアスリートの体内においては、活性酸素が多く産生されるのです。「酸化」対策をしないと筋肉などの状態が悪くなり、疲労回復を妨げる可能性があります。
体内の酸化を抑える抗酸化食品
酸化を防ぐためには、抗酸化作用を有する食品を摂取することをオススメします。抗酸化成分の種類と主な食品は下記の通りです。
主な抗酸化食品 高含有する成分 種類
鮭、えび、かに アスタキサンチン カロテノイド類
緑黄色野菜、海藻 β-カロテン
トマト、スイカ、 リコピン
ピンクグレープフルーツ
赤ワイン、リンゴンベリー レスベラトロール ポリフェノール類
ブドウ、赤シソ アントシアニン
玉ねぎ、アスパラガス ケルセチン
緑茶 カテキン
柑橘系果物、緑黄色野菜 ビタミンC ビタミン類
ナッツ類、小麦胚芽 ビタミンE
紫外線も活性酸素の生産を進めますこれから夏にかけて、ますます紫外線が強くなってきます。強い紫外線を浴びながらのトレーニングは、体内の活性酸素の産生をより促します。夏場、屋外でのトレーニングが増える選手は、抗酸化成分を多く含む食品を摂り、身体の酸化を防ぎましょう。
[page_break:抗酸化食品の摂取の目安は?]抗酸化食品の摂取の目安は?
果物の皮にも、抗酸化成分が多く含まれる
しかし、抗酸化成分は多く摂るほど効果があるわけではありません。「適量」摂ることが大切です。サプリメントなどをむやみに使って過剰な抗酸化成分を一度に摂ってもかえって逆効果でしょう。上記に示したような抗酸化食品を組み合わせて摂ることもポイントの1つです。
野菜や果物の皮にも、抗酸化成分が多く含まれます。(ファイトケミカルス)
なるべく熱加工を加えず、スムージー等にして皮ごと摂取することをオススメします。これからのシーズン活性酸素をいかに除去していくかが疲労回復のカギになります!意識的に取り組んでみましょう!
文=久保 翔平 (カラダツクル株式会社代表取締役)