【逸材レポート】熊本県ナンバーワン右腕・浅田将汰(有明)の初戦の投球を徹底分析!
1球見ただけで格が違うと感じさせる逸材がいる。今回はそんな逸材たちを紹介。浅田将汰(有明)だ。そんな浅田の夏初戦の投球を振り返っていきたい。
速球、フォークともに超高校級!
浅田将汰(有明)
昨秋から140キロ後半の速球を投げ込み、この春も九州地区予選で19奪三振、1安打完封をするなど、安定したピッチングを見せてきた。九州大会出場を狙った九州地区決勝戦では0対1で負けたが、熊本県ナンバーワン右腕と印象付ける活躍だった。決勝戦の翌日、高校日本代表の研修合宿に参加した浅田は登板。連投の影響を隠せず、135キロ前後にとどまったが、変化球をうまく使い、8人の打者を無安打に抑えた。万全の状態で見てみたいと思わせる投手だった。
7月15日、ルーテル学院戦の先発マウンドに登った浅田は8回を投げ、被安打3、7奪三振、無失点の投球に抑えた。その投球は凄まじいものがあった。
まずストレート。常時130キロ後半~143キロ 最速146キロ
投球フォームを見ると、ノーワインドアップから始動し、左足を巻き込んであげていきながら、左腕のグラブを上向きにして伸ばし、テークバックを大きく取る独特の動き。リリース位置が高くなるので、角度のあるストレートが投げることができる。
じっくりとみると、左足にしっかりと体重が乗って、強く腕が振れる形となっているため、いつでも力感のあるストレートを投げることができる。短いイニングならば、150キロ前後は出していてもおかしくない。
変化球 スライダー
横滑りするスライダーはカウントを取るために投げている。ストライクを取れる制球力の高さがあり、いつでもカウントが取れる安定感がある。
変化球 フォーク
打者の手元で鋭く変化するもので、この球で空振りを奪うことができている。意識的にストレートと同じように強く振っていくので、落差も大きく、判別がしにくい。一番の武器となるだろう。
速球、変化球ともにハイレベルで、超高校級と呼べるものがある。プロでいうと、清水達也(花咲徳栄‐中日)に似た投手ではないだろうか。
3回戦の開新戦は17日と短い間隔での試合が続いていく。甲子園出場とU‐18代表入りを目指して、浅田は最後まで高クオリティのピッチングを継続することができるか。
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文=河嶋 宗一