Column

【BIG5特集】西純矢(創志学園) 厳しいマークを乗り越え、昨年より進化したピッチングを

2019.06.13

 2019年度の高校生投手『BIG5』はズバリこの選手だ!
佐々木朗希大船渡
奥川恭伸星稜
西純矢創志学園
及川雅貴横浜
井上広輝日大三

 高校野球ドットコムでは、2019年度のBIG5ピッチャーたちの大会直前の仕上がり状況や、夏に向けての歩みを5日間連続でレポート!
第二弾は、西純矢創志学園)だ!昨年、甲子園を熱狂させた西は、今夏はどんなピッチングを見せてくれるだろうか。

衝撃の甲子園デビュー

【BIG5特集】西純矢(創志学園) 厳しいマークを乗り越え、昨年より進化したピッチングを | 高校野球ドットコム
西純矢(創志学園)

 1年生のときから145キロ前後の速球を投げ込み話題となっていた西。2年夏にじっくりと見た時、実にテクニカルなピッチャーだと感じた。

 尊敬する前田健太のような投球フォームから常時140キロ前半〜145キロの速球は伸びがあり、さらに120キロ後半の縦スライダーは対戦した打者いわく「視界から消えます」と表現するほどの切れ味。甲子園デビューとなった創成館戦では無四球完封勝利。速球と変化球のコンビネーションが抜群によかった。さらにピッチングとともにガッツポーズも話題となった。

常に勝てるピッチングを

【BIG5特集】西純矢(創志学園) 厳しいマークを乗り越え、昨年より進化したピッチングを | 高校野球ドットコム
西純矢(創志学園)

 秋も春のピッチングをみても、やはり今年の世代の中でもずば抜けた投手だと感じさせたが、ただこの春の西はあまり出力を出していない。春先の練習試合では140キロ後半の速球を投げ込んでいたが、研修合宿では、146キロ。その後の招待試合でも145キロ程度なので、あまり出力を出すことなく、ピッチングを続けてきた。

 本人は制球力重視のピッチングをしようと心がけて、ただ全力投球で投げていた2年生の頃と比べるとだいぶ落ち着きが出たように感じる。

 制球力重視のピッチングをして、常時140キロ前半・145キロを叩き出せるところに昨年からの進化が感じられるのではないだろうか。

 西に求められるのは、瞬間的にすごい投球ではなく、いつでも勝てる投球ができること。ストレートが走っていなくても、相手打者の弱点を突いて、最低限のピッチングを見せること。

 夏になれば、3年前の先輩である高田萌生(現・巨人)のように150キロ台の速球も期待できるが、そうではなく、今のピッチングスタイルをベースにして、さらにブラッシュアップを期待した投球を期待したい。

 創志学園は秋は3位からの出場。秋では結構打ち込まれた試合もあったように、今年の岡山は好投手を攻略する打力を持ったチームが多い。その厳しいマークを乗り越え、再び夏の聖地に戻ることができるか注目していきたい。

文=河嶋宗一

 ~BIG5特集~
6月12日(水)昼12時配信…井上広輝(日大三)は男気溢れる豪腕だ!背負える大エースへ!
6月13日(木)昼12時配信…西純矢(創志学園) 厳しいマークを乗り越え、昨年より進化したピッチングを
6月14日(金)昼12時配信…及川雅貴(横浜)復活・覚醒をかけたモデルチェンジ
6月15日(土)昼12時配信…奥川恭伸(星稜)高校生レベルを超越したテクニシャンピッチャー
6月16日(日)昼12時配信…佐々木朗希(大船渡)令和元年の至宝!この夏、全国と世界へ羽ばたけ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.26

新潟産大附が歓喜の甲子園初出場!帝京長岡・プロ注目右腕攻略に成功【2024夏の甲子園】

2024.07.27

昨夏甲子園4強・神村学園が連覇かけ鹿児島決勝に挑む!樟南は21度目の甲子園狙う【全国実力校・27日の試合予定】

2024.07.26

名将の夏終わる...春日部共栄・本多監督の最後の夏はベスト4で敗れる【2024夏の甲子園】

2024.07.26

報徳学園が3点差をひっくり返す!サヨナラ勝ちで春夏連続甲子園に王手!【2024夏の甲子園】

2024.07.26

「岐阜県のレベルが上がっている」県岐商が2年ぶりの決勝進出も、岐阜各務野の戦いぶりを名将・鍛治舎監督が称賛!【24年夏・岐阜大会】

2024.07.25

まさかの7回コールドで敗戦...滋賀大会6連覇を目指した近江が準決勝で涙【2024夏の甲子園】

2024.07.24

享栄、愛工大名電を破った名古屋たちばなの快進撃は準々決勝で終わる...名門・中京大中京に屈する

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.21

名将・門馬監督率いる創志学園が3回戦で完敗…2連覇狙う履正社は快勝【近畿・中国実力校20日の試合結果】

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」