吉田輝星、石川雅規、石山泰稚、秋田県勢の躍進
日本ハムのドラフト1位ルーキー吉田輝星がついにベールを脱いだ。ダルビッシュ有(現・カブス)や大谷翔平(現・エンゼルス)と同じく、交流戦で初登板のマウンドに上ったのである。
そのデビュー戦は6月12日に札幌ドームで行われた広島戦だった。初回から満塁のピンチを招くなど苦しい立ち上がり。2回に1点を失い、球数もここまで52球と5回まで投げきることは不可能に思えるほどの序盤だった。
しかし、ここから立て直したのが吉田輝のすごいところ。3回以降は會澤翼の二塁打1本に抑え、5回を投げきった。この時点で日本ハムは1点のリードがあり勝利投手の権利を持ってマウンドを降りている。
結局、この日の吉田輝は5回1失点、被安打4、奪三振4、与四球2、球数は84球と上々の内容にまとめ上げた。以降は中継ぎ陣が踏ん張り、みごと初登板初勝利をマークしている。
吉田輝は高校時代のチームメート数名が見守るなか、最高のスタートを切った。
ヤクルトのふたりが貫禄の投球
金足農業時代の吉田輝星
吉田輝に沸いたその3日後。6月15日に行われた西武対ヤクルト(メットライフ)の一戦。この試合で石川雅規と石山泰稚、ふたりの秋田県出身者が活躍した。
先発の石川は初回から強力西武打線に的を絞らせず、7回まで無失点投球とベテラン健在をアピールする。つづく8回1死一、二塁の場面で降板。リリーフ陣が打ち込まれたものの7回1/3を2失点と堂々の投球を見せた。
石川降板後に逆転を許したヤクルトだが、9回に打線が奮起し再逆転。最終回のマウンドに登ったのは石山だった。5月上旬にコンディション不良で離脱してから復帰したばかり。その復帰後、はじめて9回のマウンドに上った石山は、西武打線を圧倒。2つの三振を含む三者凡退で切り抜け、4月30日以来のセーブをマークした。
石川は秋田商業高校、石山は金足農業高校とともに秋田県の高校出身。話題は黄金ルーキーの吉田輝一色となっているが、秋田県出身者の先輩たちも負けていない。
文=勝田聡