甲子園優勝投手&甲子園準優勝投手の投げ合いが実現!吉田輝星、柿木蓮が自分の持ち味を見せる
吉田輝星(金足農出身) 柿木蓮(大阪桐蔭出身)
2月16日、沖縄県のかいぎんスタジアム国頭は夢の投げ合いが実現し、スタンドは満員となった。注目の甲子園優勝投手・柿木蓮(大阪桐蔭出身)、甲子園準優勝投手・吉田輝星(金足農出身)がともに先発としてマウンドに登ったのだ。試合前、2人の名前が告げられると大きな拍手。解説者、大物芸能人も駆けつけるほどとなったこの投げ合いを振り返っていきたい。
まず最初にマウンドに登ったのは吉田。1番西川遥輝に対し、初球、内角高めのストレートでストライクを取り、その後、カーブで2ストライク目を取り、3球目はインハイストレートでファール、4球目はインハイストレートで詰まらせ二ゴロに打ち取る。
2番大田泰示は外角ストレートでストライク。外角ストレートでボール。外角ストレートをはじき返され、バックスクリーン弾を打たれてしまう。
3番清宮幸太郎はストレートで二ゴロ。
4番横尾俊建は内角高めのボール、外角スライダーでストライク。外角ストレート高めでボール、外角高めのストレートでファール、5球目はフォークが抜けて、内角へボール。外角へマックスのストレートでファール、7球目も同じくマックスの力を入れたストレートでファール、8球目も外角高めのストレートでファール、9球目は高めへボールとなり、四球。
5番渡邉諒は外角高めのストレートでボール、2球目は外角高めのストレートでストライク、3球目は外角高めへボール、外角ストレートで空振り。5球目は外角ストレートでファール、6球目は内角へのフォークでボール、7球目は外角スライダーでボールで二者連続四球と苦しい投球。
6番鶴岡慎也は変化球でストライク。2球目はスライダーが外れボール。3球目はスライダーでボール。4球目は外角ストレートへストライク。5球目は外角ストレートで空振り三振。このストレートは力感がこもった素晴らしいストレートだった。
【投球内容を振り返る】
被本塁打1、四死球2と力みが見られた吉田のピッチングを振り返ると、ストレートの勢い自体は後に投げた先輩投手の投球と比べても変わりないものがあり、自信に持っていいものだ。ただ外角高めに抜けたり、変化球を投げるときに左肩の開きがほどけるのが速く、抜ける球が多かった。
ホームランを打たれた球もベルトゾーンに入れるボールで、吉田自身も反省している様子だった。吉田の課題はストレートを生かすコンビネーションだと思う。プロの世界ではストレート一本だけで勝負できるほど甘くない。緩急や高速系変化球などの習得が必要になる。吉田は高卒2年目から勝負となる選手になるので、これからは一歩ずつ投球の引き出しを増やして、勝負できる投手となってほしい。
そして柿木蓮のマウンド。1番浅間大基は1球目は外角ストレートでストライク。2球目も外角ストレートでファール、3球目はスライダーでボール。真ん中ストレートでバットをへし折り、センターフライ。
2番松本剛は外角ストレートでストライク、2球目はカーブでボール、3球目は外角ストレートで打たせて二ゴロ、3番王 柏融は外角ストレートでストライク、2球目はカットボールでストライク、3球目は外角ストレートでファール、4球目は外角ストレートでファール、5球目はフォークで見送る、6球目は外角ストレートで引っ掛けさせ一ゴロに打ち取った。
【投球内容を振り返る】
実に落ち着いたマウンド捌きを見せており、ストレート、スライダー、カット系の変化球をうまく投げ分けて勝負ができていた。低めにもうまくコントロールできており、ピッチング内容に関しては近年、北海道日本ハム入りした高卒投手や素材型の大卒投手と比べても制球力、メンタルコントロール、フォームの再限度の高さはかなり上なので、早い段階での一軍起用もあり得そう。よく5位まで残っていた投手である。
爆発力あるストレートを見せた吉田と高卒投手とは思えない完成度の高さを見せた柿木。対照的な投球内容となったが、非常に見応えのあるものだった。
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