「投球制限よりも投球強度を」馬見塚尚孝氏が高校野球研究会で「高校生投手の障害予防」について熱弁!
講演を行った馬見塚尚孝氏
12月9日、東京都内の都立青山高校にて、第34回高校野球研究会が行われ、国立病院機構西別府病院スポーツ医学センターの副センター長を務めている馬見塚尚孝氏が講師として招かれた。
今回は、スポーツ医学の視点から「高校生投手の障害予防」について語っていただき、ウォーミングアップの投球フォームのメカニズム、また球数制限などについての講義が展開され、終始熱気に包まれた研究会となった。
馬見塚氏は、医学的知識とバイオメカニクス的知識を駆使して、病院からグランドまで包括的に選手のサポートを行う、いわば「野球医学」のプロフェッショナルだ。2006年〜2015年まで筑波大学硬式野球部のチームドクター、部長を務め、現在は筑波大駒場の外部コーチも務めている。
講義内容は、序盤から驚きの連続であった。
「投球制限よりも投球強度を抑えることで怪我のリスクを下げていくと良い」
「アイシングには効果が無いという研究結果もある」
「距離の長いランニングは野球の動作にはあまり繋がらない」
高校野球研究会の様子
現在、広く定着している練習や考え方も、科学的に突き詰めていけば理に適っていないことが多いと馬見塚氏は語り、研究や論文に基づいた明確な根拠を馬見塚氏が説明すると、会場ではメモを必死に取る指導者たちの姿が見られた。
科学は日々進歩しているが、教員としての業務もある高校野球の指導者が情報を取りに行くことは非常に難しい。そんな中、多くの指導者が情報を手に入れられる高校野球研究会は、非常に有意義な取り組みといえる。
昨年、今年と夏の選手権大会では、東京都からの代表校(東海大菅生、日大三)が2年連続でベスト4に進出している。東京都高校野球連盟のこうした取り組みが、東京都の高校野球のレベルを年々押し上げているに違いない。