連戦を勝ち抜く食事のポイント
サバの水煮缶などオメガ3を含む食品や油などを上手にとろう。
大会が終盤に差しかかってくると試合が連日続いてしまうことが想定されます。試合後の過ごし方や食事が翌日のコンディションを決めるといっても過言ではありません。翌日も試合があるときに、心がけたい食事のポイントについてまとめておきます。
《エネルギー源の補給》
試合後30分〜2時間以内をめどに補食などで糖質を補給し、その後の食事でもさらにしっかりと食べるようにすることが理想的です。体を動かすエネルギー源である糖質は、体内でグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられていますが、運動直後はグリコーゲンが減った状態です。これを補うためにまず補食を活用して糖質を含む飲み物や食べ物をとるようにしましょう。クエン酸を含むオレンジジュースやグレープフルーツジュースや、ゼリータイプのエネルギー補助食品、おにぎりやパン、バナナなど手軽に食べられる果物などを補食として準備しておきましょう。食事に影響しない程度の量にとどめておき、食事のときにも同じく糖質を含む食べ物を意識してとるようにします。
《疲労回復》
食事は栄養バランスを考慮し、品数を多くそろえるように心がけましょう。特に意識したい栄養素がビタミンB1です。ビタミンB1は糖質をエネルギー源にかえるときに欠かせないものですが、不足すると疲労を感じやすくなったり、集中力を欠くようになったりといったことが指摘されています。玄米や豚肉などに多く含まれるため、主菜として例えばしょうが焼きや肉野菜炒め、豚キムチ炒めなどを準備し、副菜には豆腐や納豆などの大豆製品などを選ぶようにするとビタミンB1を意識した献立になります。ウナギやレバーなどにもビタミンB1が多く含まれていますが、直前に準備しにくかったり、食べ慣れていなかったりすることもあると思いますので、その場合は別の食材でも構いません。
《筋肉痛への対応》
運動後の体に起こる筋肉痛は筋線維が傷んだことによる炎症症状が原因となって起こります。これを抑える働きがあると言われているのが油の中でも特にオメガ3系脂肪酸と呼ばれるものです。比較的に手に入りやすいものは亜麻仁油、ナタネ油、クルミ油、エゴマ油など。これらの油を使う場合はサラダのドレッシングに付け足しする形で、熱を加えずにとりましょう。食物ではクルミなどのナッツ類や青魚、海藻などに豊富に含まれています。翌日に試合を控えている場合は生魚ではなく、焼き魚にすると安心です。また必須アミノ酸の中でもBCAAと呼ばれるものもまた、食事などからとるようにすると筋線維の修復に役立ちます。運動後のストレッチや疲労回復を目的としたアイシングとともに食事面でも筋肉痛対策をとり、翌日の試合に臨みましょう。
文:西村 典子
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